耳鼻と臨床
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症例報告
実耳測定を用いたNAL-NL2処方式に基づく補聴器調整の利点と課題−中等度感音難聴3例の検討−
菊池 奈美石川 聡美森安 宏明金谷 浩一郎
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2025 年 71 巻 4 号 p. 167-177

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抄録

1990年代前半から登場したノンリニア補聴器の調整においては、実耳測定を用いた調整方法が欧米のガイドライン上、推奨されている。中等度感音難聴3例について、実耳測定にてNAL-NL2(National Acoustic Laboratory. Non-linear 2)の目標値に調整した結果を考察した。症例1は持ち込み補聴器の再調整例、症例2はダイナミックレンジが非常に狭い症例である。NAL-NL2は増幅された音声全体のラウドネスが正常者のラウドネスを超えない条件で設定されており、実耳測定を用いて鼓膜直上での音圧を直接測定して調整することにより、音のうるささの訴えが少なかった。その結果、症例1、2で補聴器の常用が可能であり、良好な補聴効果を得た。症例3は高音急墜型の感音難聴であり、上記調整方法では不満足な結果となった。NAL-NL2の目標値は低音域のゲインが少なく処方される傾向があり、母音の出現頻度が高い日本語では十分に語音明瞭度が改善しない場合があることが示唆された。

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