2025 年 71 巻 4 号 p. 184-191
Cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexia syndrome(CANVAS)は、両側前庭障害・小脳性運動失調・感覚神経障害を三徴とする症候群である。今回、進行するふらつきにて受診し、前庭機能検査を契機にCANVASの診断に至った症例を経験したので報告する。73歳、男性。7年前にふらつきを自覚、4年前に脊髄小脳変性症と診断されていたが、転居をきっかけに当院を受診した。脳MRIでは小脳の萎縮が軽度であるにもかかわらず、ふらつきが強いことから、前庭機能検査を施行した。温度刺激検査、vHIT、VEMPにて両側前庭機能障害を認めた。遺伝学的検査にて、RFC1遺伝子のAAGGGリピートの異常伸長が認められ、CANVASと診断された。小脳障害を有する症例であっても、強い体平衡障害を認める場合には前庭機能検査を行うことが重要である。