耳鼻と臨床
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選択的前庭神経切断の実験的研究
鈴木 衞原田 康夫小村 良藤井 守平川 治男森 直樹
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1990 年 36 巻 2 号 p. 258-263

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抄録
ウシガエル前庭神経の各分枝を選択的に切断して現われる運動能の変化について観察した.
球形嚢神経の切断では, 姿勢反射, 運動能ともに著変をみとめなかつた. 両側外側半規管神経の切断では, 頭部回転反射が消失したものの運動能には変化をきたさなかつた. 両側前半規管神経の切断では, 跳躍距離には異常なかつたが, 着地時に前方へ倒れ込む現象がみられた. さらに, 両側後半規神経を切断した際は, 後方あるいは側方へ跳躍するようになり, 跳躍距離も減少した. 卵形嚢神経を切断すると, 頭部・躯幹は切断側へ傾き, 歩行, 跳躍, 水泳時にも偏倚が観察された.
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