耳鼻と臨床
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[第14回頭頸部癌懇話会:甲状腺分化癌治療の問題点]甲状腺進行癌の拡大手術について
佐藤 武男吉野 邦俊馬谷 克則藤井 隆八田 千広澤田 達垣渕 正男
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1990 年 36 巻 5Supplement4 号 p. 897-903

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抄録

1.最近10年間 (1979~88) の甲状腺癌の治療症例135例の治療成績について報告した. 乳頭および濾胞腺癌119例の5生率は100%, 10生率は88.6%の高い率であつた. 分化型甲状腺癌の予後を決定する因子は発癌後の経過年数, つまり患者年齢の高齢化と考えられる.
2.甲状腺進行癌を4群にまとめた.
(1)声門下腔, 気管腔などに進展し気道症候を示す群,(2) 頸部大血管への侵襲が認められる群,(3) 両側反回神経麻痺 (いわゆる後筋麻痺) のため呼吸困難を示す群,(4) 肺転移 (M1) の認められる群
3.甲状腺進行癌のそれぞれについて拡大手術法および放射性ヨード治療について述べた.
4.甲状腺進行癌の手術時の大血管損傷とその対応について述べた.

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