耳鼻と臨床
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[第14回頭頸部癌懇話会:甲状腺分化癌治療の問題点]進展甲状腺癌に対する動注化学療法
松浦 鎭牧野 総太郎佐竹 文介清水 龍一境野 宏治杉原 志朗
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1990 年 36 巻 5Supplement4 号 p. 916-921

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抄録

広汎進展甲状腺癌で手術不能の5症例に対し, 上甲状腺動脈経由による5-FUの動注療法ならびに放射線療法を併用実施した. うち2例に5年以上の生存が得られ見るべき効果があつた.
本治療法の目標とするところは, 腫瘍の気管浸潤による気道狭窄を如何に改善するかにある. 従来から腫瘍の性質上, 放射線治療のみでは殆ど腫瘍縮小効果が期待できなかつたが, 動注, 照射併用療法は症例により有効な治療法の一つと考えられる.
剖検2症例の所見によると, 進展甲状腺癌は生検時に分化型乳頭腺癌を示したが, 低分化型腺癌に病理組織像が変化していることが判明した. 進展癌の一つの特徴と考えられる.

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