耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
第9回九州めまい研究会めまいと脳波トポグラフィー
松岡 成明
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 36 巻 6 号 p. 1257-1265

詳細
抄録

中枢神経疾患の病態解明に, 形態的診断法 (CT, MRI) から発展して脳の局所血流量の測定(SPECT), さらに, 生化学的・生理学的代謝の変化 (PET) まで知る画像診断などがある. 他方, 機能的画像処理として脳波 (誘発電位) を多チャンネル記録して, 脳波の帯域周波数の変動 (spectral analysis), 時間的経過の変動分析 (temporal analysis), 脳波の空間的分析 (spatial analysis) とその流れの方向などの3つの要素を指標としたものが脳波トポグラフィーの特徴である. 従来てんかんに基因するめまい以外は, めまいに特有な脳波所見はなく, めまい患者のABERを用いて脳幹機能異常との関連報告例はある. EEG-topographyを用いて, 300m飽和潜水実験で, 高圧神経症候群にみられためまい症状などの変化について述べた.
すなわち, 正中前頭部 (Fz) にシータ波, 後頭部にアルファー波を同時にオンラインにて連続記録し得て, 非特異的シーターリズムは視床にそのgeneratorがあると推察した.

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top