耳鼻と臨床
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神経磁気診断装置とその応用
山本 智矢
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1992 年 38 巻 6 号 p. 845-851

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抄録

近年のSQUID (超伝導量子干渉素子) の実用化により, 生体の神経活動に伴つて発生する微弱な磁気を測定できるようになつた. 頭皮上の磁気の分布から, 神経活動の位置をmm単位で同定が可能である.
聴覚の分野では14チャンネルSQUID装置を用いて, 一次性聴覚野での周波数に対する機能局在を明らかにした. また, 一次性体性感覚野では, 各手指の知覚が三次元的にどのように分布しているかを示した. このように, MRI画像と組み合わせることにより, 神経活動が中枢のどの構造に由来するかを把握することができる.
今回九州大学付属病院に37チャンネルSQUID装置を導入し, すでに中枢の機能局在や疾患の診断をはじめ, てんかんの焦点の同定などの臨床応用の研究が始まつている.

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