抄録
頭頸部領域では比較的まれな鼻腔小細胞癌の1例を経験した. 診断に際し肺癌や食道癌など他部位からの転移との鑑別が問題となつたが, 剖検により鼻腔原発癌であることが確認された. また病理組織学的に光顕及びEGC染色により分泌顆粒の存在が疑われ, neuroendocrine carcicmaの一種である可能性が考えられたが最終的には電顕的検索により否定された.
また本症例は肝癌との重複症例であり, 経過中合併する肝硬変の悪化により死に至つた. 頭頸部癌と肝癌の重複症例及び肝重複癌の特殊性につき若干の考察を加えた.