耳鼻と臨床
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めまい, 耳鳴に対するトフィソバムの臨床的検討
田中 文雄赤木 成子藤本 政明結縁 晃治杉原 博子増田 游斉藤 稚里小河原 利彰中井 貴世子難波 正行岡田 聡子
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1994 年 40 巻 5 号 p. 851-856

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抄録
めまいおよび耳鳴を主訴に来院した59症例に対してトフィソパムを投与し, 自覚症状, 他覚所見の改善度を検討した. 同時に心理テストであるTMIおよびシェロング起立試験を施行した. 全般改善度は軽度改善以上で, めまいに対して85%, 耳鳴に対して83 %であつた. めまいでは併用薬を用いた群で改善率が高かつたが, 耳鳴では併用薬のない群でも高い改善率が得られた. TMIでは, II型+IV型での著明改善の割合が1型での著明改善の割合より高い傾向を示した. またシェロングの起立試験では, 施行したすべての症例で陰性化を認めた. トフィソパムは自律神経機能不全の悪循環を断ち切ることにより, めまいおよび耳鳴を改善することが示唆された.
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© 耳鼻と臨床会
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