抄録
輪状咽頭嚥下障害に対しバルーンカテーテル訓練法 (バルーン法) を行ったので方法、効果などについて報告する。バルーンの種類としては、膀胱留置バルーンカテーテルと食道ブジー用バルーンカテーテルの2つを症例に応じて使用した。バルーン法の手技は、a球状バルーンによる間欠的拡張法、b球状バルーンによる嚥下同期バルーン引き抜き法、または単純引き抜き法、c球状バルーンによるバルーン嚥下訓練、d筒状バルーンによる持続拡張法の4種類を行った。症例は11例が脳幹部梗塞、3例がくも膜下出血術後、1例が頸髄損傷、その他が2例であった。評価は臨床評価と嚥下造影、内視鏡で行った。17例中バルーン法を中心としたリハビリテーション訓練のみで改善がみられたのは9例、やや改善があったものの誤嚥が改善しなかったのは3例、ほとんど改善が得られなかったのは5例であった (手術は8例に行った)。