耳鼻と臨床
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アレルギー性鼻炎に対するCO2レーザー治療の検討
井之口 昭横光 智嬉野 元喜家守 千鶴子安松 隆治中川 尚志藤野 睦子富田 恵理小宮山 荘太郎
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1999 年 45 巻 2 号 p. 89-93

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抄録
保存的治療に抵抗する難治性通年性アレルギー性鼻炎患者に対するCO2レーザー手術の効果を自覚症状の面から検討した。レーザー照射は局所麻酔下に原則として3回行った。今回検討を行つた58例では、術後1カ月時点で自覚症状の改善を認めた有効例の割合は、くしゃみ、鼻汁、鼻閉についてはそれぞれ53%、41%、74%であり、鼻症状全般での有効率は83%であった。また術後の鼻腔抵抗値は、術前に比して有意に減少した。鼻症状の程度が (2+) あるいは (3+) の症例では有効率は、くしゃみ92%、鼻汁68%、鼻閉82%であり、 (3+) 症例では (2+) 症例と比べて、消失、著明改善の著効例の占める割合が高かつた。(+) の症例は各鼻症状とも有効率は不良であつた。症状の推移についてはKaplan-Meier法を用いて検討した。術後1カ月から12カ月までの有効率の低下 (再発) は、 (2+) 以上の症例では、くしゃみで13%、鼻汁で47%、鼻閉で28%であつた。このことから、CO2レーザー3回照射による改善効果の持続期間としては約11カ月が1 つの目安になると考えられた。各鼻症状別の再発時期については、術後早期にはくしゃみ、鼻汁の症状が、術後6カ月以降は鼻閉症状が再燃してくる傾向があった
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