耳鼻と臨床
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上顎癌の集学的治療の成績
千々和 圭一梅野 博仁森 一功中島 格小島 和行早渕 尚文
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2000 年 46 巻 2 号 p. 123-130

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抄録

当院では上顎癌の治療として1991年から耳鼻咽喉科、放射線科による集学的治療を行ってきた。本論文では当院での集学的治療を紹介するとともに、集学的治療が始まるまでの時期の111例と、集学的治療開始後の34例との治療結果を比較して報告した。5年局所制御率および死因特異的生存率は集学的治療開始前が67.2%、56.6%であり、集学的治療開始後では63.5%、58.6%とほぼ同じ成績であった。T分類別にはT4症例の5年局所制御率および死因特異的生存率は集学的治療開始前が47.3%、31.3%であり、集学的治療開始後では66.5%、51.6%と有意に改善していた。側方および後方進展型の治療成績が不良であること、進展範囲に応じた減量術が必要であること、再発例に対する救済手術の成績が悪いことが問題点であった。

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