耳鼻と臨床
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鼻腔血管腫症例の検討
香取 秀明佃 守
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2005 年 51 巻 1 号 p. 46-49

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抄録
頭頸部領域の血管腫は口唇、舌、頬粘膜などの顔面軟部組織に多く認められるが、鼻副鼻腔からの発生はまれである。2000年1月から2004年9月までに当院にて3例の鼻副鼻腔血管腫に対してNd: YAGレーザーを用いて治療を行い、良好な経過を得ることができ、その中の1症例を提示し、文献的考察を加え報告する。症例は60歳、女性で主訴は鼻閉であった。鼻副鼻腔ファイバースコープで右鼻中隔後端に隆起性病変を認め、MRIのT2強調画像では高信号の腫瘍陰影が認められた。全身麻酔下にて鼻副鼻腔内視鏡を用いてNd: YAGレーザーにて腫瘍を一塊に摘出し、止血はレーザーで十分可能であった。永久標本の病理組織所見では毛細血管腫と診断された。鼻副鼻・腔血管腫に対するNd: YAGレーザーを用いた治療は有効であると思われた。
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