耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
下咽頭・食道同時性重複癌症例に対する喉頭温存治療
千々和 秀記千々和 圭一梅野 博仁中島 格
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 51 巻 3 号 p. 209-213

詳細
抄録
下咽頭癌が食道癌と重複する頻度が高いことはよく知られている。特に同時性重複癌の場合、その治療方法に難渋することがしばしばある。今回下咽頭・食道同時性重複癌のうち下咽頭早期癌、食道進行癌に対して、喉頭温存を目的とした一治療方法を提示した。下咽頭癌、食道癌治療後に一度盲端にしておいた食道と胃管を二期的に食道胃管端々吻合を行うという方法である。重度の基礎疾患を有する5症例に対し本治療方法を行い、全例合併症なく治療を完遂できた。本治療方法は喉頭温存が可能であり、かつ下咽頭癌、食道癌両方に対して根治治療が行える有効な治療方法である。
著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top