耳鼻と臨床
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[第29回日本嚥下医学会]重症心身障害児に施行した喉頭気管分離術の検討
原 浩貴竹本 成子今手 祐二山下 裕司
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2006 年 52 巻 6Supplement4 号 p. S299-S303

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抄録

重症心身障害児6例に対する喉頭気管分離術の効果について、患者と家族のquality oflife (QOL) の向上の有無を含めて検討した。喉頭気管分離術により肺炎罹患回数は減少し、呼吸状態、栄養状態、炎症状態の改善が得られた。また術後には一日の吸痰回数が減少し、介護者の負担も軽減した。さらに6例中5例では喉頭気管分離術後に、家族の希望する形で、在宅あるいは長期療養型児童福祉施設への転院が可能となった。患児・介護者のQOLを低下させるような術後合併症は見られなかった。以上より、喉頭気管分離術により患児と家族のQOL向上が得られたと判断された。

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