抄録
当科にて2001年から2006年の6年間に原発性副甲状腺機能亢進症と診断、手術を行った症例について検討を行った。対象は15例、年齢は30-83歳、性別は男性4例、女性11 例であった。最終病理診断は12例が腺種、3例が過形成であった。術前検査として頸部エコー、99mTcMIBIシンチグラフィーの有用性が高く、これらにCTあるいはMRIを組み合わせることで局在診断が可能であった。手術は14例で副甲状腺1腺摘出、1例で甲状腺半切とともに副甲状腺2腺を摘出した。すべての症例で反回神経麻痺、低カルシウム血症等の合併症は認めなかった。術後、13例は速やかに血清カルシウム値の正常化が認められたが、2例で正常化には至らなかった。これらの症例では、複数の副甲状腺腫が存在した可能性があり、術中にPTHモニタリング等を行い、切除範囲について詳細に検討をする必要があったと考えられた。