我が国においては高度経済成長期より大規模な郊外ニュータウンが建設されてきた。しかし、黎明期に建設された郊外ニュータウンは建設から50年近くが経過し、居住者の高齢化が進行していることが指摘されている。都市空間の高齢社会への対応は郊外ニュータウンの大きな課題となりつつある。そして、歩行を継続して健康を維持することができる生活環境が求められている。本稿では高度経済成長期に建設された郊外ニュータウンを対象として、健康な高齢者および要介護・要支援認定を受けた高齢者に対するヒアリング調査から、身体機能の低下に伴う外出行動の変化と、歩行の継続を可能にする要因を明らかにする。