耳鼻と臨床
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[第30回日本嚥下医学会]頸椎前方固定術後に咽頭穿孔と嚥下障害を来した1例
神前 英明柴山 将之大脇 成広清水 猛史
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2007 年 53 巻 6Supplement2 号 p. S162-S166

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抄録

頸椎原発の悪性リンパ腫に対し、プレート併用前方固定術後、遅発性の咽頭穿孔と嚥下性肺炎が生じた1例を経験した。症例は72歳、男性。2002年6月に頸椎原発の悪性リンパ腫に対し、C4-6までプレート併用の前方固定術、放射線治療、化学療法を行い寛解に至っている。2006年3月に嚥下性肺炎にて入院。咽頭後壁より金属プレートが露出、右梨状部に唾液貯留がみられた。VF所見では、右食道入口部開大不全とそれに伴う嚥下運動後誤嚥がみられた。頸椎プレート抜釘、咽頭縫縮を施行した後、瘢痕狭窄と思われる食道入口部開大不全によるバリウム誤嚥が認められた。バルーンカテーテル訓練法を行い、常食摂取可能となった。本例のような瘢痕狭窄による嚥下障害に対してもこの方法は有用であると考えられた。

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