日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
鼻閉に対するデイサージャリー
—下鼻甲介手術を除いて—
春名 眞一
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2011 年 114 巻 9 号 p. 755-760

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抄録

デイサージャリーは, 患者の負担が少なく, 多くの手術件数を行え, 入院期間の短縮で医療費抑制の面でも有益性は高い. 鼻閉に対する適応には鼻ポリープ, 慢性副鼻腔炎, 鼻中隔彎曲症, 鼻アレルギーや鼻腔腫瘤などがある. しかし, 安易な選択は, 術後出血などで帰宅できず入院の必要を生じ, また鼻閉効果不良などの患者の不満を生じさせる. 術後管理が行えるスタッフ, 同伴者や設備を揃えること, 年齢の考慮や事前に既往症 (高血圧, 糖尿病, 喘息など) を的確に把握しコントロールすること, 抗凝固薬の中止, 症例の病変の重症度で約1時間程度の手術時間で可能かどうか手術内容を吟味すること, 急性炎症を抑えるなどのデイサージャリーを施行できる環境を整備することが重要である.

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© 2011 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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