日本耳鼻咽喉科学会会報
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114 巻 , 9 号
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総説
  • 春名 眞一
    2011 年 114 巻 9 号 p. 755-760
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    デイサージャリーは, 患者の負担が少なく, 多くの手術件数を行え, 入院期間の短縮で医療費抑制の面でも有益性は高い. 鼻閉に対する適応には鼻ポリープ, 慢性副鼻腔炎, 鼻中隔彎曲症, 鼻アレルギーや鼻腔腫瘤などがある. しかし, 安易な選択は, 術後出血などで帰宅できず入院の必要を生じ, また鼻閉効果不良などの患者の不満を生じさせる. 術後管理が行えるスタッフ, 同伴者や設備を揃えること, 年齢の考慮や事前に既往症 (高血圧, 糖尿病, 喘息など) を的確に把握しコントロールすること, 抗凝固薬の中止, 症例の病変の重症度で約1時間程度の手術時間で可能かどうか手術内容を吟味すること, 急性炎症を抑えるなどのデイサージャリーを施行できる環境を整備することが重要である.
原著
  • 福島 邦博, 假谷 伸, 長安 吏江, 福田 諭, 小林 俊光, 喜多村 健, 熊川 孝三, 宇佐美 真一, 岩崎 聡, 土井 勝美, 暁 ...
    2011 年 114 巻 9 号 p. 761-767
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    先天性外耳道閉鎖症例に対するBAHAの有用性について検討を加えた. 2006年12月から2009年3月に9施設を受診し, 書面によるインフォームドコンセントの上で同意が得られた20例を対象に検討した. うち2例はインプラントが脱落し, 最終的には先天性外耳道閉鎖症成人例18例 (両側15例, 片側3例) を対象に音場閾値検査, 語音了解閾値検査の術前および術後12週での前後比較試験を行った. 副次的評価項目として簡略版補聴器有効性評価を使用したアンケート調査を実施した. 自由音場閾値検査, 語音了解閾値検査ともに, 術後有意に改善した. 簡略版補聴器有効性評価を用いたアンケートでも「音の響く感じ」をのぞいて, ほぼすべての項目で裸耳よりも有意に改善していた. BAHAは, 先天性外耳道閉鎖症患者のQOLを改善する目的で, 有用な選択肢の一つであると考えられた.
  • 内田 真哉, 岡本 康太郎, 藤田 朋己, 上田 雅代, 牛嶋 千久, 出島 健司
    2011 年 114 巻 9 号 p. 768-773
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    乳頭腫が中耳に発生することはまれであるが, 両側発生例はさらにまれで, 著者が渉猟し得た限りでは過去に一例の報告しかない. 本例は52歳, 女性で中耳・鼻副鼻腔に発生した内反性乳頭腫から感染が進展し, 急性乳様突起炎からの硬膜外膿瘍による小脳症状を来した. 当初, 乳頭腫は右中耳・右鼻副鼻腔にあり, 経過中に左中耳にも発生した. 過去の報告を集計したところ, 本例のような多発性の中耳乳頭腫は15例あり, 中耳単独発生の乳頭腫と比較して再発率や癌に関連する症例の割合が明らかに高く, 厳重な経過観察を要するものと考えられた.
  • 福島 慶, 竹内 裕美, 森實 理恵, 北野 博也, 硲田 猛真, 榎本 雅夫
    2011 年 114 巻 9 号 p. 774-779
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    アレルギー性鼻炎の診断は, くしゃみ, 水性鼻汁, 鼻閉の3主徴をもち, 鼻汁好酸球検査, 皮膚テストまたは血清特異的IgE抗体, 鼻誘発テストのうち2項目が陽性の時に確診される. ところで, アレルギー性鼻炎患者の鼻汁にはIgE抗体が含まれていることは知られている. そこで, 鼻汁中非特異的IgE (以下, 鼻汁IgE) 検査のアレルギー性鼻炎における診断的意義について検討した. スギ花粉症患者22例と非アレルギー性鼻炎患者16例を対象とした. スギ花粉症患者に対しては花粉曝露前の鼻汁好酸球, 血清総IgE, スギ特異的IgEを測定し, 鼻汁IgE, 涙液中IgE (以下, 涙液IgE), 鼻汁好酸球に関しては, 花粉曝露施設で花粉曝露後のそれらを測定した. また, 水性鼻汁を主訴としMAST33で33種の抗原特異的IgEがすべて陰性であった非アレルギー性鼻炎患者16例を対象に, 鼻汁IgE, 鼻汁好酸球, 血清総IgEを測定し, スギ花粉症患者のそれらとを比較した. 鼻汁IgEは, 涙液IgEを測定する汎用検査用免疫グロブリンEキット「アレルウォッチ涙液IgE®」を用いて測定した. その結果, スギ花粉症患者では, 花粉曝露後の鼻汁IgEは血清総IgEと相関はなかったが, スギ特異的IgEと緩やかな相関を認めた (r=0.38, p=0.08). また, 鼻汁IgEは花粉曝露前・後の鼻汁好酸球と相関を認めた (r=0.43, p=0.04; r=0.55, p=0.01). また, スギ花粉症患者と非アレルギー性鼻炎患者を群間比較し, 鼻汁IgEと鼻汁好酸球検査の2つの検査の感度と特異度を算出した. その結果, 鼻汁IgEは特異度が高く, 鼻汁好酸球検査は感度が高かった. これらの結果から. アレルウォッチによる鼻汁IgE検査は簡便で客観的な検査法であり, 従来の検査法にはなかった角度からアレルギー性鼻炎を診断する新しい検査法として期待できる.
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