日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
歯ブラシにより重篤な合併症を生じた口腔・咽頭外傷
森 安仁上羽 瑠美橘 澄佐藤 拓後藤 多嘉緒藤巻 葉子二藤 隆春山岨 達也
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2017 年 120 巻 7 号 p. 932-938

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抄録

 歯ブラシによる口腔・咽頭外傷は小児に多く, 外力の加わる方向により深頸部や頭蓋内を損傷する可能性がある. 当院で入院加療を行った4症例を報告する. 症例1は咽頭後壁の受傷翌日に発熱と呼吸障害を来し, 深頸部・縦隔の気腫と周囲への感染を認め人工呼吸管理を要した. 3症例は口腔内の創傷が軽微だったが, CT で全例に気腫を認めた. 症例2は左副咽頭間隙を中心とした気腫, 症例3は咽後間隙上方に気腫と腫脹, 症例4は右顎下部から副咽頭間隙に気腫と腫脹を認めた. 全例が抗菌薬による保存的治療で治癒したが, 歯ブラシ外傷では局所所見が軽微な場合でも異物遺残や気腫, 深部感染の可能性に留意し, CT などの画像評価を行うべきである.

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© 2017 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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