2019 年 122 巻 9 号 p. 1198-1201
小児中耳炎の起炎菌の耐性化が問題となり, 2009年頃から医療社会動向に大きな変化があり, 中耳炎起炎菌にも変化が見られた. しかしあまりに急激な変化にわれわれも十分追従していないように思われた. その一つとして重症肺炎球菌感染症が激減し, さらに急性中耳炎へ波及し莢膜血清型ワクチンタイプの減少と血清型置換が報告されている. 肺炎球菌予防接種は乳児期の中耳炎症状の軽減化を起こしている可能性が示唆された.
副鼻腔炎を伴う滲出性中耳炎治療では副鼻腔治療を行うことで結果的に滲出性中耳炎の改善が見込まれる例が多い.
難治性中耳炎には GERD が関与していることがあるので中耳貯留液の pH を測定して関連を予想することも一つの手段である.