日本耳鼻咽喉科学会会報
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モデル動物における舌下神経―顔面神経吻合術と副神経―顔面神経吻合術の比較検討
堀内 譲治
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1997 年 100 巻 3 号 p. 299-306

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抄録

小脳橋角部や側頭骨内の腫瘍摘出術や外傷などにより顔面神経が広い範囲にわたって損傷され, 端々縫合や神経移植ができない場合の次善の策として舌下神経―顔面神経吻合術, 副神経―顔面神経吻合術が行われる. しかし両術式による神経再生についての詳細な検討はなされていない. 本研究ではY型チューブを用いて舌下神経―顔面神経吻合術と副神経―顔面神経吻合術を同一条件下に同時に行える動物モデルを考案し, 両吻合術における神経再生の程度を比較検討した. 神経再生に関しては舌下神経―顔面神経吻合術の方が副神経―顔面神経吻合術よりも優れることを組織学的, 電気生理学的に明らかにした.

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