日本耳鼻咽喉科学会会報
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老化マーカー蛋白質(SMP30)の顎下腺における局在とSMP30ノックアウト•マウスの電子顕微鏡的観察
石井 甲介阿部 弘一椿恵 樹山本 昌範丸山 直記穐田 真澄
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2002 年 105 巻 9 号 p. 915-919

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抄録

SMP30は,肝臓ならびに腎臓などで成熟過程に伴い強く発現し,加齢に伴って減少する分子量30KDaの蛋白質であり,肝臓や腎臓などの分化した器官における細胞機能,特に細胞内Ca2+のホメオスタシスの維持に深く関与していることが示されている.今回我々は,マウス顎下腺におけるSMP30の局在を抗SMP30抗体による酵素抗体法を用いて検索し,さらにSMP30ノックアウト•マウスの顎下腺をワイルドタイプと比較しながら光学顕顕微鏡ならびに透過型電子顕微鏡下に観察した.その結果,抗SMP30抗体陽性部位は特に導管(顆粒管•腺条部)の上皮細胞で,その他終末腺房細胞にも発現がみられた.SMP30ノックアウト•マウスではSMP30の発現がみられた部位のミトコンドリアに膨化が認められた.

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