日本耳鼻咽喉科学会会報
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シラカンバ花粉症
札幌における現況とハンノキ属との共通抗原性について
間口 四郎高木 摂夫吉田 美果福田 諭犬山 征夫
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1993 年 96 巻 1 号 p. 1-9,167

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抄録
平成2, 3年度における当科のシラカンバ鼻アレルギーの現況を報告した. 2年間におけるシラカンバ花粉症患者の総数は53名で, 全鼻アレルギー患者の16%を占めており, 近年増加傾向にあると考えられた. 皮内テスト, および鼻粘膜誘発テストとの相関関係からRASTの診断における信頼性は非常に高いものと推察された. 一般日常臨床においてはシラカンバ花粉症は詳細な問診とRAST検査でほぼ十分な診断が可能と考えられた. ハンノキ属とシラカンバの抗原の交叉性は非常に高いものと考えられた. また2症例の経験から, 本州においても共通抗原性をもつハンノキ属などの花粉症患者がかなりの数存在する可能性が示唆された.
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