1993 年 96 巻 12 号 p. 2080-2092,2195
頭頸部腫瘍患者42名に対し, 2経路注入化学療法を応用したCDDP小量動注 (1回投与量5mgまたは10mg) と放射線照射の併用療法を行った. 評価可能症例の原発巣に対するcomplete responseは5mg投与群で24例中18例, 10mg投与群で11例中8例に得られた. 舌・口腔底癌では治療成績の上で5mg投与より10mg投与の方がより有効と思われた. 副作用のうち腎機能低下 (24hr. Ccr低下) が5mg投与群で29例中15例, 10mg投与群で12例中10例にみられた. 骨髄障害, 悪心・嘔吐は両群で軽度であった. T4, M1などの進行例を除く頭頸部癌に対して, 本併用療法は原発巣制御の一次治療としての有用性が示された.