日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
突発性難聴における統計学的検討
多変量解析を用いた予後予測の試み
小笠原 英樹森本 賢治石井 歓相馬 新也朝倉 光司形浦 昭克
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 96 巻 6 号 p. 914-921,1047

詳細
抄録

143例の突発性難聴症例を統計学的に観察した. 若年者の予後は良好であるが, 高齢者の予後は良好ではなかった. 1年を通して発症月に3峰性のピークを認めた. また, 耳鳴と予後の関連は認めなかった. 一方, 予後が良好であったのは, 初診時平均聴力が良好なもの, 低音障害型, めまいを随伴しないものそして初診までの日数が7日以内のものであった.
多変量解析 (数量化理論II) を用いたところ, 初診時平均聴力, 初診までの日数, めまいそして高低音差の順に予後への影響が強く, 更に, これら4項目を基に78.3%の確率で予後の予測が可能であることが示された.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top