日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
喉頭癌に対する光線力学的療法の臨床的検討
吉田 知之佐伯 哲郎大橋 伸也奥平 唯雄李 雅次吉田 ひかり丸岡 秀裕伊藤 博之舩坂 宗太郎加藤 治文
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 98 巻 5 号 p. 795-804,927

詳細
抄録

Photodynamic Therapy (以下PDT) は癌の選択的治療法として注目されている. 我々はHpDにアルゴン・ダイ・レーザーとエキシマ・ダイ・レーザーを用いたPDTを咽頭癌に対し臨床応用している. そこで, 12例の臨床経過を示すとともに, その有用性と安全性ならびに遠隔成績に言及し, 特に治療手技に改良を加えファイバー下に容易に行えるPDT治療について報告した. PDTによるCR率83.3%, PDT単独での効果持続期間は, 最長65ヵ月であり, 一次治療例では全例喉頭保存が可能であった. また, PDTの副作用はいずれの症例にも認められず, 重篤な合併症のあるものや, 高齢者などにも安全に治療ができ, 早期喉頭癌の有力な治療法と成り得るものと考えた.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top