日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
段階手術所見からみた乳突腔内骨欠損とその予後
暁 清文比野平 恭之佐藤 英光柳原 尚明
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 99 巻 1 号 p. 13-17,119

詳細
抄録

乳突腔内にみられる骨欠損の頻度とその予後を外耳道保存術式による段階的鼓室形成術を行った197名205耳で検討した. 第二段階手術時, 乳突腔天蓋では62耳中19耳で, 乳突腔後壁では15耳中2耳で, 外耳道後壁では17耳中15耳で, 第一段階手術時の骨欠損が残存していた. さらに外耳道では22耳で新たに骨欠損が生じていた. また, 第一段階手術時に筋膜で迷路瘻孔を閉鎖した6耳中5耳では再生した骨組織によって欠損部は閉鎖していた. 顔面神経管の骨欠損は第一段階手術時に67耳で認められたが, このうちの21耳は第二段階手術時にはみられなかった.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top