日本耳鼻咽喉科学会会報
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99 巻 , 1 号
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  • 中川 雅文, 相馬 新也, 渡邊 一正, 村形 寿郎, 石井 歓
    1996 年 99 巻 1 号 p. 1-5,119
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    57歳男性, 耳下腺に発生したmalignant oncocytomaの1例を経験した. 耳下腺浅葉全摘術を施行したが, 13カ月後, 左頸部に再発を認め, 左頸部郭清術を施行した. その後, 追加治療として放射線治療40Gyを施行した. 術後照射を行った理由としては, この腫瘍に対してFlow CytometoryによるDNA量の解析を行ったところG2+M期にpeakを認めることができ, 放射線に感受性があると判断したためである. その後, 初診時より現在まで3年6カ月になるが局所再発, 遠隔転移を認めず, 経過良好である.
    今回我々は, 本腫瘍における臨床学的特徴, 電顕的特徴および放射線治療に対する感受性をFlow CytometoryによるDNA量の解析にて予測可能かどうかについて検討考察した.
  • 柴田 修宏, 西村 忠郎, 森島 夏樹, 長谷川 清一, 岩永 耕一, 八木沢 幹夫
    1996 年 99 巻 1 号 p. 6-12,119
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 鼻咽腔腫瘍により睡眠時無呼吸症候群を来したまれな症例を経験したので, ここに報告する.
    症例は10歳の男児で主訴は鼾と睡眠時無呼吸発作. 中咽頭に下垂する腫瘤を認め, 終夜モニターにより閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断された (AIII=19.67). 腫瘍の早期摘出の必要性を認め, モニターの7日後に手術を施行. 腫瘍摘出により症状・術後モニター共に著明改善を認めた. 腫瘍は病理組織により鼻咽腔血管線維腫と診断された. 鼻咽腔の腫瘤性病変は, 鼻呼吸障害により睡眠時呼吸障害を来すことが多く, 睡眠時無呼吸症候群の原因として鼻咽腔腫瘍も考慮する必要があると思われた.
  • 暁 清文, 比野平 恭之, 佐藤 英光, 柳原 尚明
    1996 年 99 巻 1 号 p. 13-17,119
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    乳突腔内にみられる骨欠損の頻度とその予後を外耳道保存術式による段階的鼓室形成術を行った197名205耳で検討した. 第二段階手術時, 乳突腔天蓋では62耳中19耳で, 乳突腔後壁では15耳中2耳で, 外耳道後壁では17耳中15耳で, 第一段階手術時の骨欠損が残存していた. さらに外耳道では22耳で新たに骨欠損が生じていた. また, 第一段階手術時に筋膜で迷路瘻孔を閉鎖した6耳中5耳では再生した骨組織によって欠損部は閉鎖していた. 顔面神経管の骨欠損は第一段階手術時に67耳で認められたが, このうちの21耳は第二段階手術時にはみられなかった.
  • 武田 英彦, 熊川 孝三, 加我 君孝
    1996 年 99 巻 1 号 p. 18-27,119
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    片側聴神経腫瘍20例に方向感検査装置を用いて500Hzのバンドノイズ刺激で音像定位検査を施行し, 両耳間強度差音像移動弁別閾値 (IID) を測定し, ABRとの比較を中心に検討した.
    IIDは20例中5例 (25%) に, ITDは20例中17例 (85%) に異常が認められた.
    ITDはATのスクリーニングとして有用といえる. ITDとABR波形異常とは密接な関係があり, また, IIDは高度の蝸牛神経障害や上部脳幹の障害で生じた. AT症例の聴覚伝導路障害の評価には時間差だけでなく強度差による音像定位検査も重要である.
  • 岡村 玲子
    1996 年 99 巻 1 号 p. 28-37,121
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術を行った際に真珠腫との癒着が高度で温存が不可能であった6症例のヒト鼓索神経を用いて線維分析を行った. ヒト鼓索神経の完全な再構成を行い, 神経の横断面積, 有髄線維の太さ, 線維数を計測し, 有髄, 無髄線維の構成を明らかにした. 加齢に伴い神経の横断面積は小さくなり, 有髄線維数は減少したが, 無髄線維には変化は認められなかった. 区画別計測法による全体の推測値と全体の実測値との比較により, 有髄線維の太さ分布と全面積の線維数の換算法を検討した. また, 区画別計測法と光顕的観察より無髄線維には局在性が認められ, 舌下腺, 顎下腺への分泌線維であると推測された.
  • 若見 暁樹, 村岡 道徳, 中井 義明
    1996 年 99 巻 1 号 p. 38-45,121
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    鼻腔に発生した多形腺腫の2症例を報告した. 症例1は26歳女性, 主訴は右鼻閉, 腫瘍は右鼻中隔より発生し, 手術は鼻内法にて施行し, 大きさは1.5×1.5×1.2cmだった. 症例2は51歳男性, 主訴は左鼻腔内腫瘤, 腫瘍は左鼻腔側壁より発生し, 手術は鼻内法にて施行し, 大きさは0.6×0.6×0.6cmだった. 鼻腔多形腺腫は我々が渉猟しえた限り本邦では59例の報告があり, 鼻中隔原発51例, 鼻腔側壁原発8例であった. 59例中, 再発例は3例 (5.1%), 悪性例は4例 (6.8%) であり, 従来考えられてきたものより高値を示し, 摘出にあたっては周囲健常組織も十分に含め, 術後の経過観察も長期に行われる必要があると考えられた.
  • 田村 真司, 山中 昇, 斉藤 匡人, 高野 郁晴, 保富 宗城, 横山 道明
    1996 年 99 巻 1 号 p. 46-53,121
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 臨床および組織学的に従来の進行性鼻壊疽に相当する2症例についてその腫瘍細胞起源の検索を行った. 細胞表面抗原分析の結果. CD2, CD3ε, CD45ROが陽性, CD16陰性, CD56陽性で他のT細胞表面抗原やB細胞表面抗原を認めず, T細胞抗原受容体遺伝子, 免疫グロブリン遺伝子の再構成を認めなかったためNatural killer (NK) 細胞由来であると考えられた. また, 両例で単クローン性のEpstein-Barr virus (EBV) ゲノムが検出され, その腫瘍発生にEBVの関与が強く疑われた. 以上より進行性鼻壊疽はその予後不良であることも合わせて, NK細胞起源と考えられる特徴的な細胞表面抗原を有するEBV関連腫瘍の一群であると考えられる.
  • 飯塚 尚久
    1996 年 99 巻 1 号 p. 54-64,121
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    イヤホンを用いた両耳間時間差による, 音像移動に伴い誘発される3相性の誘発波が記録された. この反応, すなわち音像移動電位の諸特性は, 正常聴力者45人の検査結果により, 他覚的方向感検査のそれと, きわめて類似していた. このことより, 本検査法は, 方向感検査の他覚的検査法として有用であることが分かった. また, 臨床応用として用いる条件を, 時間差: 0.7msec., 刺激強度: 30dBSL, 刺激間隔: 3.0sec, 加算回数: 30回, Cz誘導と決定した. さらに, 難聴症例群を対象として本検査を施行し, 他の検査所見との関係を検討した. また, 音像移動誘発電位の成立機序を, Berjeikの理論に基づき説明した.
  • 田中 豊
    1996 年 99 巻 1 号 p. 65-78,123
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    dip型聴力損失9名10耳, 高音急墜型聴力損失7名10耳を対象に歪成分耳音響放射 (DPOAE) と周波数弁別閾 (FDL) を測定した. 基準周波数をf2に一致する周波数で測定したFDLとDPレベルを比較すると, DP gramでノイズレベル以下となった周波数でのFDLは, 正常者の平均値より2SD以上大きな値となった. DPOAEとFDLでの相関を検討すると, 相関係数はdip型では高く, 高音急墜型ではやや低い相関となった. しかし両者共に有意の相関であった. 聴力型により多少差は見られるが, DPOAEと聴力レベルの場合と同様に, DPOAEが内耳レベルでの周波数弁別能の客観的測定に応用できると考えられた.
  • 柵木 美紀
    1996 年 99 巻 1 号 p. 79-90,123
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    蝸牛マイクロホン電位 (CM) に追随して認められる遅延反応について, モルモットを用いて検討した. 遅延反応は中音域の弱い刺激音圧に対して観察され, 入出力曲線は飽和しCMのそれと交叉した. 酸素欠乏において, 遅延反応はCMよりも敏感に変化した. ILO88を用いた誘発耳音響放射 (EOAE) のエコー・パワーも酸素欠乏で減少し, 酸素の供給により回復した. EOAEは外有毛細胞の伸縮と連繋した蝸牛内微小機械系振動に関係のある音響現象と考えられている. 本研究結果は遅延反応がEOAEに対応する電気現象であることを示した. 遅延反応とEOAEは蝸牛機能の電気的および音響的指標として他覚的検査に応用できる.
  • 高松 一郎
    1996 年 99 巻 1 号 p. 91-102,123
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1970年から1993年までに神奈川県立こども医療センターを受診した小児両側声帯麻痺症例は18例で, その内訳は8例が男児, 10例が女児, 合併する奇形ないしは疾患としては未熟児3例, 脊髄髄膜瘤2例, Arnold Chiari奇形, 脳性麻痺, 水頭症, 喉頭軟化症, William's症候群, Wiedemann Beckwith症候群, 低酸素脳症, 食道裂孔ヘルニア, 大脳萎縮などであった. 臨床経過は7例が完全に改善, 5例が不全麻痺を残した. 2例は右声帯麻痺を残し, 2例は改善せず現在も気管切開中である. 1例は低酸素脳症のために死亡, 1例は不明であった. 本疾患は臨床的に改善する症例も多く, 当院では可能な限り気管切開を避けて治療に当たり, 良好な臨床経過を示した.
  • 柏村 正明, 大渡 隆一郎, 佐藤 信清, 川浪 貢, 千田 英二, 坂本 徹, 福田 諭, 犬山 征夫
    1996 年 99 巻 1 号 p. 103-111,123
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    耳音響放射の新生児期における臨床的有用性について検討した. 誘発耳音響放射 (TEOAE) は満期産正常体重出生児の約9割で良好な反応が得られ, その測定の簡便さから新生児難聴スクリーニングの一手段となりうるものと考えられた. 測定手技の熟練および測定環境の改善次第でより精度の高い検査になり得ると思われた. また早期産低体重出生児でも早い症例では修正35週程度で良好な反応が得られた症例があり, また全体として成長とともにより良好な反応が得られる傾向があった. 従ってTEOAEはこれらの症例の聴覚の経過観察手段としても有用であると考えられた.
  • 形浦 昭克
    1996 年 99 巻 1 号 p. 112-113
    発行日: 1996/01/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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