情報通信政策研究
Online ISSN : 2432-9177
Print ISSN : 2433-6254
ISSN-L : 2432-9177
調査研究ノート(査読付)
COVID-19パンデミック前後における遠隔医療の普及と課題
-政策の観点から
木下 翔太郎
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 5 巻 1 号 p. 49-67

詳細
Abstract

ICT技術の発展に伴い、テレビ電話などを用いて遠隔地の患者を診察するDoctor to Patientの遠隔医療が登場した。当初は僻地や離島などの限られた状況において使われ始めたが、ICT機器の普及に伴い、地域を問わず使用されるようになっていった。しかし、遠隔医療に関しては法規制の強弱などがその普及に影響を大きく及ぼす。我が国では規制や診療報酬上の評価が普及の障害となっており、情報通信政策や規制改革の文脈で推進の動きも見られていたが、大きな改善にはつながっていなかった。諸外国では我が国よりも積極的な活用もみられてはいたが、2019年末時点までは、世界的に見ても、遠隔医療が医療全体の中で占める役割は決して大きいとは言えない状況であった。

2020年から本格化したCOVID-19パンデミックは、世界中で猛威を振るい、社会の様相を大きく変えた。医療現場においても、COVID-19患者対応や感染対策による外来の縮小や停止、治験の中断などの様々な影響が現れた。そうした中で、医療の継続、感染対策の観点から遠隔医療に注目が集まり、世界中で利用が拡大した。それまで法規制が普及の障害となっていた国々においても、臨時的・特例的な規制緩和が行われ、遠隔医療活用の道がひらけた。比較的遠隔医療の規制が厳しく普及が進んでいなかった我が国でも、対象疾患の拡大、初診の実施可能、診療報酬の改善などの規制緩和が行われ、利用が増加した。

今後、遠隔医療の普及が持続していくかどうかはCOVID-19パンデミック期における規制緩和や促進策が一時的なもので終わらないかどうかという点が焦点となる。また、我が国のように規制緩和を経ても診療報酬などの点で制約が多い国においては、これらの改善がなされない限り今以上の普及は難しいと考えられる。遠隔医療特有のメリットを活かし、患者の様々なニーズに応えられるような新しい医療の形を目指すためにも、適切な普及のための政策が求められる。

本稿では、諸外国の動向も踏まえつつ、我が国における遠隔医療の普及やCOVID-19パンデミック前後の変化について診療報酬などの政策動向を中心に整理し、今後に向けた課題の整理を行う。

Translated Abstract

With the development of ICT technology, telemedicine has emerged to examine patients in remote areas using video phones and other devices. At first, telemedicine was used only in limited situations, but with the spread of ICT devices, it is now being used in all regions. However, by the end of fiscal year 2019, the role of telemedicine in the overall healthcare system was not significant in Japan and other countries.

The COVID-19 pandemic, which has been in full swing since 2020, has raged around the world and changed society drastically. In the medical field as well, various effects such as reduction or suspension of outpatient services and interruption of clinical trials due to COVID-19 patient care and infection control appeared. Under such circumstances, telemedicine attracted attention from the perspective of infection control, and its use expanded around the world. Even in countries where laws and regulations had been an obstacle to the spread of telemedicine, temporary and exceptional deregulation was implemented, opening the way for its use.

Whether the spread of telemedicine will be sustained in the post-COVID-19 era depends on whether such deregulation will continue. In countries like Japan, where even after deregulation, there are still many restrictions in terms of reimbursement, it will be difficult for telemedicine to become more widespread unless these restrictions are further improved. In order to achieve a new form of medical care that can meet the various needs of patients, policies for the appropriate spread of telemedicine are required.

As telemedicine rapidly expands, issues such as security risks and the digital divide are being pointed out. After COVID-19 era, the digitalization of society is expected to increase, so it is necessary to take measures before these problems become serious.

This paper provides an overview of the spread of telemedicine and changes in the With COVID-19 era, and summarizes the issues for the After COVID-19 era.

1.はじめに

科学技術の発展に伴い、医療の世界においても情報通信技術(Information and Communications Technology : ICT)の活用が進み、離れた2地点間で行う「遠隔医療」が実施可能となった。遠隔医療は、専門医が他の医師の診療を支援するDoctor to Doctor (D to D) と、医師が遠隔地の患者を診療するDoctor to Patient (D to P) とに大別されるが、特に近年ではD to Pの遠隔医療が存在感を増している。

当然ながら、医療の全てを遠隔で行うことは難しく、手術や縫合などの物理的な治療が必要な患者や、採血や画像検査などが必要な患者、緊急性が高い急性期の患者については遠隔医療が適しているとはいえない。しかし、逆に言えば、物理的な治療や検査を必要とせず、症状が安定している患者については、遠隔医療でも十分に代替が可能であり、そうした患者に対する遠隔医療の有効性については数多くの研究がなされている。例えば、Snoswellらが2021年に行った遠隔医療に関するメタアナリシス研究を対象にとしたシステマティックレビューでは、10の医療分野にまたがる38件のメタアナリシスが分析対象となり、総じて遠隔医療は対面診療と比較して同等以上の臨床的有効性が期待できるという評価であった2

そして、遠隔医療には、患者が遠隔地の医療機関が受診できるようになることなど特有のメリットも多い。その他、患者側のメリットとしても、病院での待ち時間が不要となる、交通費が節約できる、会社などを休まずに受診できるというものなどがある3。そのため、遠隔医療が普及すれば、離島・へき地の医療アクセスの改善、通院の困難な高齢患者や引きこもり患者などのアクセスの改善、医師の偏在対策など、我が国の抱えるさまざまな課題解決につながることも期待できる。

しかし、遠隔医療については、診療報酬などの公的医療保険上の評価や、医師のライセンスや対象疾患などの法規制が対面診療よりも制約が強いことが現場での採用の障害となる場合が多い4。我が国においても、ShimizuらがISM法(Interpretive Structural Model method)を用いて遠隔医療の普及を阻害する要因を階層化した研究において、階層の最下段であるLevel 1に「Initial and Operation Cost」が含まれているなど5、診療報酬の適応範囲や価格の低さが普及の障害となっていることが示唆されていた。こうした規制上の課題などもあり、2019年末時点まででは、我が国を含め、諸外国においても遠隔医療の普及は限定的であった。そうした中で、2020年より新型コロナウイルス感染症 (Coronavirus Disease 2019 : COVID-19) のパンデミックにより、感染対策の一環として遠隔医療が注目され、世界中で規制緩和が行われ遠隔医療の普及が進んだ6。今後の遠隔医療の普及策を検討していく上では、これらの規制緩和などの政策動向について整理していく必要がある。

本稿では、我が国における遠隔医療の普及について政策的な観点から整理することを目的とし、COVID-19パンデミック前後における遠隔医療の普及や変化について諸外国の動向にも触れつつ概説し、今後の普及に向けた課題の整理を行う。特に、COVID-19拡大前より、我が国における遠隔医療の普及の障害としてみなされていた診療報酬をめぐる政策動向について中心的に取り上げる。

なお、本稿では、2019年以前を「COVID-19拡大前」、2020年以降から本稿執筆時点(2021年7月)までを「COVID-19パンデミック期」と表現する。

2.COVID-19拡大前の遠隔医療

2.1.諸外国における遠隔医療の普及

遠隔医療は海外では早くから活用されており、例えば1959年にはネブラスカ大学で神経学的な検査とその結果を遠隔で伝達する取り組みが行われたことなどが知られている7。その後、徐々に諸外国で利用が広がる中で、1999年には世界医師会が遠隔医療における説明責任や倫理についてのガイドラインを出している8。2009年に国際保健機関 (World Health Organization : WHO) が114か国を対象に行なった調査では、遠隔医療は、放射線科、皮膚科、病理、精神・心理の4つの領域で最も活用されており、特に放射線科領域では33%の国で遠隔での診断に活用されていたと報告されている9

しかし、患者に対して診断や処方を伴うようなD to Pの遠隔医療についての普及は限定的であったとみられる。Douglasらは、アメリカの公的な医療扶助制度の一つであるメディケイドにおける約4500万人分の請求データを分析したところ、2008年から2009年にかけての遠隔医療の利用者は0.1%程度だったと報告している10。また、Hashiguchiが2020年1月の経済協力開発機構 (Organisation for Economic Cooperation and Development : OECD) のワーキングペーパーで報告した内容によれば、OECD加盟国のうち遠隔医療の利用状況について数字が公表されているカナダ、オーストラリア、ポルトガルなどでは対面診療の0.1~0.2%程度であったとしている11

D to Pの遠隔医療の普及が進まなかった理由としては、国ごとに様々な要因があると考えられるが、法規制による制限もその一因であるとみられる。例えばKinoshitaらがアメリカ合衆国、イギリス、イタリア、インド、エジプト、オーストラリア、カナダ、韓国、スペイン、台湾、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ブラジル、南アフリカの計17の国と地域を対象に行った調査によれば、2019年末時点では、韓国・ブラジルでは遠隔での診断・処方などが認められておらず、それ以外の国でも、遠隔医療を行う医師に資格が必要な国・地域が6/15、初診からの遠隔医療が認められていない国・地域が7/15、遠隔医療における公的医療保険の対象疾患に制限がある国が7/15であるなど国・地域によって様々な法規制があったことが報告されている12

以上より、2019年末までの時点では、諸外国においても医療システム全体の中で遠隔医療の占める割合は大きいとはいえない状況であり、その背景には法規制による様々な制限もあったとみられる。

2.2.我が国における遠隔医療の普及

我が国における遠隔医療の導入は、スムーズであったとは言い難い。その背景には、医師法13の第20条14において、無診察での治療行為が禁じられていたことがある。同条における「診察」の定義に遠隔医療を用いた場合が含まれるかどうか、という点が当初明らかではなかったため、遠隔で行う診察・診断などの行為が違法とみなされる懸念があった。我が国で最初の遠隔医療への試みは、1971年に和歌山県医師会が閉回路テレビを用いて行なった実験であるとされているが15、上記の懸念もあったことから、その後も長らくD to Pの遠隔医療は広まらず、1995年以前においては研究レベルでも遠隔医療に関する取組はほとんど行われていなかった16

転機となったのは、1995年8月の「保健医療福祉分野における情報化実施計画」の中で、「遠隔医療技術の開発を含む医療分野の情報化を推進し、在宅医療等患者の多様なニーズに応えていく必要がある」という内容で遠隔医療が取り上げられた後、1996年3月に閣議決定された「規制緩和推進計画」においても「平成9年度早期に遠隔診断行為について医師法等との関係を整理し、その上で、診療報酬上の位置づけについても明確化を図る」という記載が盛り込まれるなどして、遠隔医療に関する推進や法整備の必要性が求められたことである17。それらの動きにより、1997年12月に厚生省から「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」18が出され、遠隔での診察が違法ではないという見解が示されるに至った。

以上の流れにより、上述の医師法第20条に関する懸念が解決されたことで、D to Pの遠隔医療を行う道が開けた。しかし、1997年12月に厚生省が出した通知では、初診及び急性期の疾患に対しては直接の対面診療を原則であること、遠隔医療は離島・へき地など来院が困難な場合に行われるべきもの、と抑制的な内容となっていた。さらに、2003年に厚生労働省は同通知を一部改定し19、「直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えない」ものとして「在宅酸素療法を行なっている患者」、「在宅難病患者」、「在宅糖尿病患者」、「在宅喘息患者」、「在宅高血圧患者」、「在宅アトピー性皮膚炎患者」、「褥瘡のある在宅療養患者」の7疾患の例示が行われ、事実上、これらの疾患のみを対象とすると解釈できる内容に変更された。以上より、厚生省・厚生労働省が示した通知は、遠隔医療の実施が違法ではないとしつつも、現場での活用に繋がりにくい内容であった。

このような経過から、我が国における遠隔医療は極めて限定された条件下でのみ認められるという厳しいスタートとなった。その後、総務省の情報通信政策におけるICT利活用推進などの文脈や、内閣による政府全体が関わる規制改革などの文脈で遠隔医療推進に向けた取組が行われ、規制緩和が段階的に行われていった。主な規制の変化、診療報酬を中心とした動向について表1に示した。

表1.COVID-19拡大前における我が国の遠隔医療に関する主要な政策動向
1995年8月 【厚生省】「保健医療福祉分野における情報化実施計画」20
・遠隔医療技術の開発を含む医療分野の情報化を推進していく方針が示される
1996年3月 【内閣】「規制緩和推進計画」21
・1997年度早期に遠隔診断行為について医師法等との関係を整理することを求める
・診療報酬上の位置付けについても明確化することを求める
1996年度 【厚生省】「遠隔医療に関する研究班」が設置22
・遠隔医療の実態や有効性、技術的目安などの調査研究
1997年度〜 【厚生省】厚生労働科学研究費補助金による研究に対する助成23
1997年11月 【内閣】(経済対策閣僚会議)「21世紀を切りひらく緊急経済対策」24
・遠隔診断行為について、今年中可能な限り早期に医師法との関係を明確化することを求める
・診療報酬上の位置づけについても明確化することを求める
1997年12月 【厚生省】「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」25
・遠隔での診察は違法でないことを明示
・初診及び急性機の患者は対面診療が原則
・離島・僻地などの例示
1998年4月〜 【厚生省】在宅患者の遠隔医療について電話再診療が適用可能に26
2001年度〜 【厚生労働省】遠隔医療のための情報通信機器への補助27
2003年3月 【厚生労働省】「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」の一部改正28
・対面診療と適切に組み合わせて行われているときは、遠隔診療でも差し支えない7疾患の例示
2007年11月 【内閣】「地方再生戦略」29
・地域医療の確保のため、遠隔医療を推進する方針が示される
2008年3月 【厚生労働省】【総務省】「第1回 遠隔医療の推進方策に関する懇談会」が開催30
2008年6月 【内閣】「経済財政改革の基本方針2008」31
・遠隔医療技術の活用を推進する方針が示される
2008年7月 【厚生労働省】【総務省】「遠隔医療の推進方策に関する懇談会 中間とりまとめ」32
・「慢性期(再診)、健康管理、予防医療、生活習慣にかかわるもの」については、基本的には遠隔医療が選択可能であることを明らかにすることを提言
・遠隔医療に関わる診療報酬を適切な活用の検討を提言
・モデル事業による必要性と有効性の実証と検証の提言
2008年度〜 【総務省】「地域ICT利活用モデル構築事業」33
・遠隔医療モデル事業を全国で実施
2010年5月 【総務省】「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース・遠隔医療等推進ワーキンググループ報告」34
・遠隔医療における対面診療原則の見直しの提言
・遠隔医療における診療報酬制度の見直しの提言
2010年6月 【内閣】「規制・制度改革に係る対処方針」35
・遠隔医療が認められ得るべき要件を2010年度中に明確化することを厚生労働省に求める
・診療報酬上の手当については、安全性・有効性等についてエビデンスが得られた遠隔医療について、診療報酬改定のタイミングで検討することを厚生労働省に求める
2011年3月 【厚生労働省】「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」の 一部改正36
・「規制・制度改革に係る対処方針」を受けて、別表に「在宅脳血管障害療養患者」と「在宅がん患者」を追加

【総務省】「遠隔医療モデル参考書」37
・遠隔医療の普及に向け、モデル事業を踏まえて参考となる情報を提供
2013年6月 【内閣】「規制改革実施計画」38
・遠隔医療について、エビデンスが得られたものから診療報酬の算定を認めることを2014年度の診療報酬改定に合わせて検討することを厚生労働省に求める
・遠隔医療を行う際に処方せん料が算定可能となる場合の明確化を厚生労働省に求める
2014年5月 【厚生労働省】「いわゆる「遠隔診療」を行う際に処方せん料の算定が可能となる場合について」39
・遠隔診療を行う際に処方せん料の算定が可能となる場合を明確化
2015年6月 【内閣】「経済財政運営と改革の基本方針2015 ~経済再生なくして財政健全化なし~」40
・遠隔医療の推進を進める方針が示される

「規制改革実施計画」41
・「情報通信機器を用いた診療(いわゆる 「遠隔診療」)について」における遠隔診療の取扱いを分かりやすくすることを厚生労働省に求める
・遠隔診療の主体的な推進、エビデンスを積極的に確立する仕組みの構築、遠隔診療技術の具体的な推進策の取りまとめなどを厚生労働省に求める
2015年8月 【厚生労働省】「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」42
・これまで示してきた別表はあくまで例示であることを明確化
2017年5月 【内閣】「規制改革推進に関する第1次答申〜明日への扉を開く〜」43
・「離島・へき地」以外や初診でも遠隔診療が実施可能であることの明確化を求める
・遠隔診療の診療報酬上の評価の拡充を求める
2018年3月 【厚生労働省】「オンライン診療の適切な実施に関する指針」44
・従来の「遠隔診療」を「オンライン診療」に定義を変更し、遵守事項などを提示
・初診は原則対面診療としつつも、実施可能な場合の例示
2018年4月 【厚生労働省】診療報酬改定45
・「オンライン診療料」の創設
・対象は特定疾患療養管理料、地域包括診療料等を算定している再診患者に限定
・定期的な遠隔医療において、電話等再診料の算定は不可
2018年度〜2019年度 【総務省】「オンライン診療の普及促進に向けたモデル構築にかかる調査研究」46
・複数の地域において安全かつ効果的なオンライン診療実施モデル構築のための実証を実施
2018年6月 【内閣】「規制改革推進に関する第3次答申〜来るべき新時代へ〜」47
・オンラインでの服薬管理指導の実施を可能とすることを求める
2018年7月 【厚生労働省】中央社会保険医療協議会総会48
国家戦略特区において遠隔服薬管理指導を実施した場合における「薬剤服用管理指導料」の算定について検討し、一定の条件下で可能とした
2019年6月 【内閣】「経済財政運営と改革の基本方針 2019〜「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦〜」49
・オンライン診療について、現場の状況等を踏まえ、診療報酬における対応について検討するとともに、オンライン服薬指導についての実施の際の適切なルールを検討することを求める
2019年7月 【厚生労働省】「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の一部改定50
・遠隔地、緊急避妊薬の処方など、初診からオンライン診療が実施可能な場合の明確化
・オンライン診療を行う医師は厚生労働省の指定する研修を受講することを義務化(2020年4月以降)

2003年の通知改定以降の主な動きとして、まず、2007年の「地方再生戦略」に遠隔医療の推進が掲げられ、それを受けて、2008年から2009年にかけて、総務省と厚生労働省が共催で「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」が行われた。この懇談会の中間とりまとめにおいては、生活習慣病等を遠隔医療の対象として診療報酬で措置すること、モデル事業による必要性と有効性の実証の必要性などが提言されており、その後、総務省は各地で遠隔医療のモデル事業を行い、その成果を踏まえて2011年に「遠隔医療モデル参考書」を公表している。

また、規制改革の文脈でも、遠隔医療は改善すべき規制として何度か槍玉に挙げられており、2010年の「規制・制度改革に係る対処方針」や2013年の「規制改革実施計画」でも取り上げられ、厚生労働省側もそれぞれ対応疾患の追加や、遠隔診療を行った際の処方せん料の算定についての明確化など、対応を余儀なくされている。

これらの動きを踏まえてもなお、遠隔医療の対象となる疾患の整理については長らく行われてこなかったが、2015年の「経済財政運営と改革の基本方針2015 ~経済再生なくして財政健全化なし~」および「規制改革実施計画」において、遠隔医療の推進について盛り込まれたことなどを背景に、同年厚生労働省から通知の改定が行われた。同改定では、1997年の通知で例示された疾患はあくまで例示であることを明確化し、それらに限定されない、としたことから、これまで例示されていなかった多くの疾患についても遠隔医療を行ってよいという整理となった。しかし、同時点では、診療報酬上で遠隔医療について算定可能な個別の項目が設けられておらず、保険診療が基本の医療現場において、導入するメリットの乏しい状況となっていた。こうした状況を踏まえ、2017年に閣議決定された「規制改革推進に関する第1次答申〜明日への扉を開く〜」において、遠隔診療の診療報酬上の評価の拡充について、明示的に厚生労働省に対応が求められた。これを受けて、2018年3月に厚生労働省から「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が出され、D to Pのビデオ通話による遠隔医療が「オンライン診療」として新たに定義され、遵守すべき事項なども示された上で、2018年度の診療報酬改定において「オンライン診療料」が新設されるに至った。

これにより、1997年に厚生省の通知が出されてから約20年かけて保険診療に遠隔医療が位置付けられることとなった。しかし、2018年度に新設された「オンライン診療料」では算定可能な疾患が限定されていた上、対面診療の初診から6ヶ月以上を経過していて事前に診療計画を作成した患者であること、かつ原則緊急時に30分以内に診察可能な場合のみが対象であるなど51、算定するための要件が厳しく、かつ対面診療よりも低い価格しかとれなかったことから、現場での利用はほとんど進まなかった。実際に、2019年9月に行われた中央社会保険医療協議会総会の資料によれば、オンライン診療料等を算定できるように届け出ていた施設は平成30年7月時点で病院65施設、診療所905施設にとどまっており、平成30年6月審査分の「オンライン診療料」の算定回数も全国で65回しか算定されていないなど52、積極的な活用に繋がっていないことは明らかであった。そのため、2019年の「経済財政運営と改革の基本方針 2019〜「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦〜」においても、遠隔医療の診療報酬について取り上げられており、これを受けた2020年度の診療報酬では、算定要件の一部が緩和されることとなっていたが、大きく状況が変わることが期待できない内容であった53

以上が、COVID-19拡大前における日本の主要な規制動向である。ここまでみてきたように、我が国において、遠隔医療が広く実施可能となり、保険診療に位置づけられるまで、多くの年月を費やしている。その背景としては、表1で整理された経過から推察すると、厚生省・厚生労働省による医療政策の文脈で遠隔医療が積極的に推進されてきたというよりも、閣議決定を伴う内閣の政策方針や規制改革方針に呼応する形で消極的に規制緩和が行われていたことが、原因の一つであると推察できる。特に個別の政策事項について具体的に指摘し、期日も含めて対応を求めている規制改革方針などで取り上げられた際には、厚生労働省側も対応した規制緩和を行っていることから、規制改革の文脈が、政策変更における重要な推進力となったとみられる。

また、総務省が、遠隔医療のモデル事業や参考書の公表について取り組んでいる点も興味深い。本来、遠隔医療は医療提供の一形態であるから、厚生省・厚生労働省が主たる所管となるところであるが、遠隔医療が離島やへき地などの地域におけるICTを用いた課題解決という観点からスタートしたこともあり、ICT利活用の推進という情報通信政策の観点と、自治体の課題解決や取組支援などの地方行政の観点から総務省側の文脈にも接点があったとみられる。なお、2011年と2020年の遠隔医療モデル参考書はいずれも総務省情報流通行政局の名義で出されていることから、近年では情報通信政策としての意味合いが大きいようである。いずれにせよ、厚生労働省との懇談会の開催や、内閣の方針への反映など、我が国の遠隔医療の普及において、総務省も一定の役割を果たしたとみることができるだろう。

3.COVID-19パンデミック期における遠隔医療の活用

3.1.諸外国における遠隔医療の活用

2020年以降にCOVID-19の流行が本格化すると、ロックダウンなどの強い外出制限などにより社会は大きな変化を迎えた。医療機関においても、緊急性の高い患者を優先するために外来機能を縮小したり、感染した場合に重症化するリスクの高い患者の来院を控えさせたりするなど、様々な対応を余儀なくされている。SARS、MERS、エボラウイルス病など、過去の感染症流行時において医療従事者の感染防止に遠隔医療が活用された実績から54、今般のパンデミックにおいても医療継続の手段として遠隔医療が注目されるようになり、世界中で利用が拡大されるようになった。例えば、WHOが130か国の精神科医療について行なった調査によると、COVID-19パンデミック下において93%の国々で精神科医療・精神保健サービスの中断が生じており、その解決策として70%の国で遠隔医療が導入・活用されていたことが報告されている55。また、Hassanらが40か国における運動障害性疾患に対する遠隔医療の利用状況について行なった調査によると、パンデミック後は、それまでほとんど利用されていなかった国も含め、ほぼ全ての国で遠隔医療の利用が増加したと報告している56

このように、世界中で遠隔医療の活用が進んだ背景には、それまで各国において普及の障害となっていた法規制が撤廃、緩和されたことも大きい。先に紹介したKinoshitaらの調査では、17の国と地域における2019年末時点と2020年5月時点での規制を比較しており、韓国とブラジルではそれまで禁止されていた遠隔医療一般の実施が可能となったこと、多くの国・地域において遠隔医療を実施できる地理的条件や医師の資格、使用できるソフトウェアなどこれまで普及の障害とみなされていた規制が緩和されたこと、遠隔医療の公的医療保険における償還対象や価格が各国で緩和された結果、日本と中国を除く15/17の国と地域で価格が対面診療と同率以上となったことなどを報告している57。また、先に紹介したHassanらの調査でも、複数の国において遠隔医療を促進するための法律の制定や、それまで普及の障害となっていた規制の改正が行われていたことを報告している58

なお、Kinoshitaらの調査時点では、8/17の国と地域が、今般の規制緩和を一時的なものと明示していることから59、今後は、パンデミック後にこのような規制緩和が持続するかどうかが焦点となってくるとみられる。しかし、世界中で感染対策を踏まえたニューノーマルな生活様式の導入が進む中で、遠隔医療を制限する方向に規制を強める必要性は見出しづらく、今後も規制緩和の流れは続いていくものと考えられる。現に、アメリカでは、2020年10月の連邦議会において、精神科医療に対する遠隔医療の規制緩和をパンデミック後も持続させると決定している60。デジタルトランスフォーメーション (Digital Transformation : DX) などのトレンドも続く中で、人工知能 (Artificial Intelligence : AI) なども含めたデジタルヘルスの利用も増えているが、Kalhoriらのレビューによれば、今般のパンデミック対策として最も多く用いられていたデジタルヘルスは遠隔医療であったと報告されているなど61、今後も新しい医療形態の代表格として遠隔医療が注目されていくことが予想される。

3.2.我が国における遠隔医療の活用

2020年に入り、国内でCOVID-19の感染者が増加していく中で、感染対策として遠隔医療を求める声が大きくなり、内閣の政策方針や規制改革方針に押される形で、厚生労働省は、遠隔医療に関する時限的・特例的な規制緩和を段階的に行なった。COVID-19パンデミック期の診療報酬を中心とした主な規制の変化、政策動向について表2に示した。

表2.COVID-19パンデミック期における我が国の遠隔医療に関する主要な政策動向
2020年2月25日 【内閣】「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」62
・風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、電話による診療等により処方箋を発行するなど、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制をあらかじめ構築する
2020年2月28日 【厚生労働省】「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」63
・処方箋を薬局にFAXすることを可能に
・慢性疾患を有する定期受診患者について診療計画が作成されていない場合でも電話を含む遠隔医療で診察することを可能とする
2020年3月19日 【厚生労働省】「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」64
・定期受診している慢性疾患患者などについて、これまで処方されていない治療薬を遠隔医療で処方することも可能とした
2020年4月2日 【厚生労働省】「第9回 オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」の開催65
・初診の対面原則の緩和に難色を示した

【内閣】「第1回 新型コロナウイルス感染症対策に関する特命タスクフォース」66
・遠隔医療での初診を認めるよう厚生労働省に求める
・遠隔医療の診療報酬が対面診療と同等になるよう厚生労働省に求める
・遠隔での服薬指導を対面診療患者にも認めるよう厚生労働省に求める
2020年4月3日 【内閣】「第2回 新型コロナウイルス感染症対策に関する特命タスクフォース」67
・前日に行われた厚生労働省の議論を批判
・再度初診からの遠隔医療と遠隔服薬指導の実施を可能とすることを厚生労働省に求める
2020年4月7日 【内閣】「規制改革推進会議 書面議決」68
・遠隔医療の初診対面原則の時限的緩和

【内閣】「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」69
・遠隔医療の初診対面原則の時限的緩和
・診療報酬上の取り扱いの見直し
2020年4月10日 【厚生労働省】「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信危機を用いた診療等の時限的・特例的な取り扱いについて」70
・遠隔医療の初診対面の時限的緩和
・2020年4月より遠隔医療実施の場合に義務化されていた研修受講の猶予
・遠隔服薬指導を可能

【厚生労働省】「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱いについて(その10)」71
・遠隔医療の診療報酬範囲の拡大と点数増加
2020年5月 【総務省】「遠隔医療モデル参考書 ―オンライン診療版―」72
・2018年度〜2019年度の調査研究の結果を踏まえて、実施にあたっての手順やシステム構成などの情報を提供
2020年7月17日 【内閣】「経済財政運営と改革の基本方針2020〜危機の克服、そして新しい未来へ〜」73
・オンライン診療等の時限的措置の効果や課題等の検証について、受診者を含めた関係者の意見を聞きエビデンスを見える化しつつ、普及促進を含め、実施の際の適切なルールを検討

【内閣】「成長戦略フォローアップ」74
・新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた時限的措置の検証を行い、それらの結果等に基づき、オンライン診療の適切な実施に向けたガイドラインを定期的に見直す
2020年10月8日 田村厚生労働大臣、河野規制改革担当大臣、平井デジタル改革担当大臣が新型コロナウイルス感染収束後も、「オンライン診療」を原則恒久化することを合意75
2021年6月18日 【内閣】「経済財政運営と改革の基本方針2021日本の未来を拓く4つの原動力〜グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策〜」76
・初診からのオンライン診療の実施は原則かかりつけ医によるとしつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で具体策を検討する

【内閣】「規制改革実施計画」77
・オンライン診療の初診での実施を2022年度に恒久化することを求める
2021年6月30日 【厚生労働省】「第16回 オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」78
・初診を恒久化する方向で、指針を改訂、対象となる疾患の整理を行う方針

まず、2020年2月25日に、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が策定され、電話などを含めた遠隔医療による体制整備を進めることが示された。これを受けて、厚生労働省では、これまで患者に原本を郵送する必要があった処方箋を薬局にFAXしてよいことなど、段階的に規制緩和を実施したが、オンライン診療料の対象疾患の範囲などは変わっておらず、3月までの段階では、保険診療で遠隔医療を行える範囲はほとんど広がっていなかった。

こうした状況を受けて、規制改革推進会議に設けられた「新型コロナウイルス感染症対策に関する特命タスクフォース」が、厚生労働省に強く規制緩和を求め、2020年4月7日にはタスクフォースの提言を踏まえる形で、規制改革推進会議の書面議決と、「新型コロナウイルス緊急経済対策」が発表されるに至った。これを受けて、同年4月10日に入り、改めて厚生労働省から通知が出され、初診対面原則の時限的緩和や、電話等再診料を援用する形での診療報酬の対象範囲の拡大を行なったため、慢性疾患一般における初診・再診の遠隔医療についての保険診療が広く認められるようになり、遠隔医療の利用は増加した。実際に、中央社会保険医療協議会総会に提出された資料によれば、2019年4月から7月にかけての電話等再診料の算定回数は698,003回、オンライン診療料の算定回数は553回であったが、上述の規制緩和が行われた後の2020年4月から7月にかけては、電話等再診料の算定回数は3,150,572回、オンライン診療料の算定回数は4,147回まで増加しており、また、規制緩和により可能となった遠隔医療の初診に該当する「電話等初診料」についても2020年4月から7月にかけて93,268回算定されている79。その他、2020年8月6日に行われた「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会(第10回)」に提出された板橋区医師会の調査資料でも、51.5%の医療機関が電話やビデオなどの遠隔医療を実施していると回答しており80、規制緩和以前の状況と比較すると極めて大きな変化があったといえる。

厚生労働省側はこうした規制緩和について、あくまで「時限的」、「特例的」としていたが、内閣の政策方針や規制改革方針は一貫して遠隔医療の普及促進、今般の措置の恒久化などを求める姿勢を続けており、それを受けて、「第16回 オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」においては、初診の恒久化を前提とした上で、対象となる疾患の整理などの方向に舵を切る結果となっている。

以上が、本稿執筆時点(2021年7月)までのCOVID-19パンデミック期の我が国における遠隔医療の主要な政策動向である。表2に整理した経過をみると、やはり内閣の政策方針や規制改革方針が先行している印象があることは否めない。しかし、パンデミック下における緊急避難的な対応として、これまで遅々として進まなかった遠隔医療の規制が急速に緩和され、現場で利用されたことは、結果的に多くの患者のニーズに応えられたという点では評価に値するといえるだろう。

4.今後の我が国における普及に向けた課題

今般の規制緩和により遠隔医療の診療報酬上の点数については多少の改善がみられたが、依然として我が国においては対面診療と比較して遠隔医療における点数が低い状況が続いている。例えば、精神科を例に挙げると、通常精神科外来で一般的に算定している「通院・在宅精神療法」(330点〜660点)が、今般のCOVID-19パンデミックに伴う規制緩和を踏まえた条件下の遠隔医療で行う場合、147点に抑えられることになる81。診療報酬は1点10円相当であるため、この項目分だけで対面診療よりも2000円程度安くなってしまうことは避けられない。また、遠隔医療の場合、専用のシステムを導入するコストがかかる場合もある上、その場で印刷した処方箋を渡すことのできる対面診療と異なり、処方箋の送付先(自宅or最寄りの薬局)を確認し、原本を郵送またはFAXまでしなければならないなど、手間や時間もかかることも多い。このような状況の中で、診療報酬が対面診療よりも低い点数では、医療機関の経営上厳しく、現場からは懸念の声も未だ多い82。上述のKinoshitaらの調査において日本と中国以外は遠隔医療の公的医療保険における価格は対面診療と同等かそれ以上とされていたことからみても83、対面診療と比較して点数が低いことについては合理的な理由があるとは考えにくく、国際的な標準からも外れているとみられる。今後の適切な普及のためには、対面診療に近づける形での診療報酬の改善が不可欠である。

なお、今般のCOVID-19パンデミックに伴う規制緩和においては、電話で診療した場合の遠隔医療も、テレビ電話で診療した場合の遠隔医療も、同じ「電話等再診料」で算定することになるため、価格が同じとなっている84。電話とテレビ電話では後者の方が情報量の多いことは明らかであり、導入のための設備投資もかかることを鑑みれば、後者の遠隔医療の方を価格上高く設定しないと、質の高い医療の普及につながらないと考えられる。このような点についても、今後改善の余地があるとみられる。

本稿執筆時点(2021年7月)では、診療報酬の改善について、具体的な方針はたっていない。上述のように遠隔医療の導入には設備投資や人件費などを考慮する必要があることから、現在より改善がみられるかどうかなどの先行きが不透明な状況では、現場の医療者側も、新たに投資を行う判断に繋がりにくい。適切な普及を進めるためには、これらの課題について具体的な方針が早期に示されていくことが必要である。

また、診療報酬の改善を求めていく上で、今後クリアしていくべき課題の一つとして、「エビデンスの蓄積」がある。一般的に診療報酬の改定が議論される中央社会保険医療協議会(中医協)では、医学的なエビデンスに基づく議論が求められている85。そうした中で、遠隔医療においては、最初に「オンライン診療料」の導入が議論されていた2017年の中医協において、慎重意見を呈する出席者から遠隔医療のエビデンスが不十分であることが指摘されており86、同年12月の中医協資料に提出された遠隔医療を診療報酬で評価する場合の基本的な考え方を示した資料においても「安全性や有効性のエビデンスが確認されていること」という内容が含まれていた87。今後の診療報酬の改善にあたっては、このような懸念に対する回答を示していく必要があるといえる。

本稿の性格上、遠隔医療の有用性・エビデンスについて十分には紹介できていないが、上述のシステマティックレビュー88をはじめ、これまで多くの医療分野で実証されている通り、遠隔医療は対面診療の代替以上の役割を果たせる手段となることが期待できるものである。しかし、これらの研究のほとんどは国外で行われた研究であり、国内で行われた遠隔医療の有効性を検証した研究は多いとは言い難い。諸外国で行う遠隔医療と、我が国で行う遠隔医療との間に本質的な違いがあるわけではないが、医療制度や文化的背景など、我が国固有の環境下での遠隔医療の有効性や、その適切な運用方法を検討していくためには、国内での運用事例の蓄積や好事例の共有などが重要となることは確かである。国内で行われた遠隔医療のエビデンスが少ない要因としては、COVID-19拡大前は保険診療で実施できる疾患などに限界があったため、そもそもの実施例が少ないことなどが指摘されており89、2019年の中医協においても、エビデンスを蓄積するためにはそもそもの厳しい規制を緩和していくべきという逆説的な意見まで出ていた状況であった90。しかし、今般の規制緩和を踏まえて、保険診療において遠隔医療を実施できる対象範囲が大きくなったことから、対面診療と遠隔医療の有効性を比較する大規模な臨床研究も行われるようになっている91。今般の規制緩和を踏まえて、従来にはない遠隔医療の臨床研究に積極的に取り組み、エビデンスを確立していくことも、診療報酬の改善や遠隔医療の適切な普及のために重要であるといえる。

5.さいごに

本稿では我が国における遠隔医療の普及に関する政策動向を整理した。我が国においては、COVID-19拡大前から規制改革や情報通信政策などの文脈による後押しにより段階的に規制緩和が進んでいたが、COVID-19パンデミック期における規制緩和を経てようやく対面診療に近い範囲で遠隔医療の活用が可能となった。なお、各政策がとられた背景として遠隔医療に対する一定のニーズがあったことは間違いないが、それぞれの政策がなぜそのタイミングで行われたのかという点については、紙幅の関係上、本稿では十分に分析できていない。例えば、本稿で抽出した各政策の前後におけるメディア報道や民間調査、各種会議の議事録などを分析することなどにより、より詳細な政策の起点を把握できる可能性がある。これらの点は今後の研究課題である。

将来的に、社会のデジタル化はより一層進んでいくことが確実視されており、遠隔医療をはじめとするデジタルヘルスも一般化していくとみられる。そうした中で、我が国の臨床や研究の分野での導入が遅れ、患者にとって最善の医療が提供できない事態は避けなければならない。ステークホルダーの多い複雑な政策領域であるからこそ、多様な文脈で推進のための議論を重ね、受容のための下地作りを行なっていくことが適切な普及のために重要であると考える。

Footnotes

1 慶應義塾大学医学部特任助教

2 Snoswell, C. L., Chelberg, G., De Guzman, K. R., Haydon, H. H., Thomas, E. E., Caffery, L. J., & Smith, A. C. (2021). The clinical effectiveness of telehealth: A systematic review of meta-analyses from 2010 to 2019. Journal of telemedicine and telecare, 1357633X211022907. [Online Ahead of Print]

3 総務省「遠隔医療モデル参考書 ―オンライン診療版―」(令和2年5月)71頁

https://www.soumu.go.jp/main_content/000688635.pdf

4 Scott Kruse, C., Karem, P., Shifflett, K., Vegi, L., Ravi, K., & Brooks, M. (2018). Evaluating barriers to adopting telemedicine worldwide: A systematic review. Journal of telemedicine and telecare, 24(1), 4–12.

5 Hiroki, Shimizu., Takumi, Tanikawa., Hiro, Mizuguchi., Yuji, Tani., & Katsuhiko, Ogasawara. (2021). Analysis of factors inhibiting the dissemination of telemedicine in Japan: using the Interpretive Structural Modeling. Telemedicine and e-Health, 27(5), 575-582.

6 Kinoshita, S., Cortright, K., Crawford, A., Mizuno, Y., Yoshida, K., Hilty, D., Guinart, D., Torous, J., Correll, C. U., Castle, D. J., Rocha, D., Yang, Y., Xiang, Y. T., Kølbæk, P., Dines, D., ElShami, M., Jain, P., Kallivayalil, R., Solmi, M., Favaro, A., Veronese, N., Seedat, S., Shin, S., De Pablo, GS., Chang, CH., Su KP., Karas, H., Kane, JM., Yellowlees, P., Kishimoto, T. (2020). Changes in telepsychiatry regulations during the COVID-19 pandemic: 17 countries and regions' approaches to an evolving healthcare landscape. Psychological medicine, 1–8. [Online Ahead of Print]

7 Wittson, C. L., & Benschoter, R. (1972). Two-way television: helping the Medical Center reach out. The American journal of psychiatry, 129(5), 624–627.

8 World Medical Association. WMA statemen on accountability, responsibilities and ethical guidelines in the practice of telemedicine.

https://www.wma.net/policies-post/wma-statement-on-accountability-responsibilities-and-ethical-guidelines-in-the-practice-of-telemedicine/

9 World Health Organization. Telemedicine: opportunities and developments in Member States: report on the second global survey on eHealth 2009.

http://www.who.int/goe/publications/goe_telemedicine_2010.pdf

10 Douglas, M. D., Xu, J., Heggs, A., Wrenn, G., Mack, D. H., & Rust, G. (2017). Assessing telemedicine utilization by using Medicaid claims data. Psychiatric services, 68(2), 173–178.

11 Hashiguchi, T. C. O. (2020). Bringing health care to the patient: An overview of the use of telemedicine in OECD countries.

https://www.oecd-ilibrary.org/docserver/8e56ede7-en.pdf?expires=1625387494&id=id&accname=guest&checksum=D4A88F25CAA108B5314B94C44114F5A6

12 前掲注6

13 医師法(昭和23年法律第201号)

14 医師法第20条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

15 開原成允(1998)「日本における遠隔医療の実現について」映像情報メディア学会誌, 52巻9号, 1244頁

16 酒巻哲夫「遠隔医療技術活用に関する諸外国と我が国の実態の比較調査研究. 厚生労働科学研究費補助金平成22-23年度総合研究報告書」(平成24 (2012) 年3月)1頁

http://plaza.umin.ac.jp/~tm-research/pdf/info/TRG2011report.pdf

17 松本義幸(1998)「遠隔医療に対する厚生省の取り組み」映像情報メディア学会誌, 52巻9号, 1247頁

18 厚生省「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」(平成9年12月24日健政発第1075号厚生省健康政策局長通知)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/johoka/dl/tushinki01.pdf

19 厚生労働省「「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」の 一部改正について」(平成15年3月31日医政発第0331020号厚生労働省医政局長通知)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/johoka/dl/tushinki02.pdf

20 前掲注17

21 前掲注17

22 前掲注17

23 厚生労働省「遠隔医療の推進等について」(平成20年3月21日)2頁

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0321-7m_0001.pdf

24 経済対策閣僚会議「21世紀を切りひらく緊急経済対策」(平成9年11月18日)3頁

https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/prj/sbubble/data_history/2/kei-tai21.pdf

25 前掲注18

26 前掲注17 1248頁

27 前掲注23

28 前掲注19

29 内閣府地方創生推進事務局「地方再生戦略」(平成19年11月30日)12頁

https://www.chisou.go.jp/tiiki/siryou/pdf/chihousenryaku.pdf

30 総務省「「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」第1回会合 開催案内」

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/telemedicine/080321_1.html

31 内閣府「経済財政改革の基本方針 2008」(平成20年6月27日閣議決定)6頁

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/cabinet/2008/decision080627.pdf

32 厚生労働省「遠隔医療の推進方策に関する懇談会中間とりまとめ」(平成20年7月31日)

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/s0731-14.html

33 総務省「平成20年度「地域ICT利活用モデル構築事業/遠隔医療モデルプロジェクト」実施要領」(平成20年8月8日)

https://www.soumu.go.jp/soutsu/tohoku/itaku_koubo/telemedicine/

34 総務省「遠隔医療等推進ワーキンググループ報告」(平成22年5月11日)2頁

https://www.soumu.go.jp/main_content/000087098.pdf

35 内閣府「規制・制度改革に係る対処方針」(平成22年6月18日閣議決定)6頁

https://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/publication/230909/item230909-2.pdf

36 厚生労働省「「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」の 一部改正について」(平成23年3月31日医政発0331第5号厚生労働省医政局長通知)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/johoka/dl/tushinki03.pdf

37 総務省「遠隔医療モデル参考書」(平成23年3月)

https://www.soumu.go.jp/main_content/000127781.pdf

38 内閣府「規制改革実施計画」(平成25年6月14日閣議決定)26頁

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/130614/item1.pdf

39 関東信越厚生局「いわゆる「遠隔診療」を行う際に処方せん料の算定が可能となる場合について」(平成26年5月13日厚生労働省保健局医療課事務連絡)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/tsuchi/documents/260513iwayuruenkakusinryouwookonausainishohousenryounosanteigakanoutonarubaaituite.pdf

40 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針 2015」(平成27年6月30日閣議決定)12頁

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2015/2015_basicpolicies_ja.pdf

41 内閣府「規制改革実施計画」(平成27年6月30日閣議決定)9頁

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/150630/item1.pdf

42 厚生労働省「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」(平成27年8月10日厚生労働省医政局長事務連絡)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000094452.pdf

43 内閣府「規制改革推進に関する第1次答申〜明日への扉を開く〜」(平成29年5月23日)43頁

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/toshin/170523/toshin.pdf

44 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成30年3月)

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000201789.pdf

45 厚生労働省「個別改訂項目について」395頁

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000193708.pdf

46 総務省「オンライン診療の普及促進に向けたモデル構築にかかる調査研究 報告書」

https://www.soumu.go.jp/main_content/000688633.pdf

47 内閣府「規制改革推進に関する第3次答申〜来るべき新時代へ〜」28頁

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/toshin/180604/toshin.pdf

48 厚生労働省「2018年7月18日 中央社会保険医療協議会 総会 第397回議事録」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205879_00033.html

49 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針 2019 〜「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦〜」(令和元年6月21日閣議決定)61頁

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2019/2019_basicpolicies_ja.pdf

50 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成30年3月(令和元年7月一部改訂))

https://www.mhlw.go.jp/content/000534254.pdf

51 前掲注44

52 厚生労働省「平成30年度診療報酬改定後の算定状況等について」64頁

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000547022.pdf

53 厚生労働省「個別改訂項目について」284頁

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000601838.pdf

54 Keshvardoost, S., Bahaadinbeigy, K., & Fatehi, F. (2020). Role of Telehealth in the Management of COVID-19: Lessons Learned from Previous SARS, MERS, and Ebola Outbreaks. Telemedicine journal and e-health : the official journal of the American Telemedicine Association, 26(7), 850–852.

55 World Health Organization. The impact of COVID-19 on mental, neurological and substance use services: results of a rapid assessment.

https://apps.who.int/iris/rest/bitstreams/1310579/retrieve

56 Hassan, A., Mari, Z., Gatto, E. M., Cardozo, A., Youn, J., Okubadejo, N., Bajwa, J. A., Shalash, A., Fujioka, S., Aldaajani, Z., Cubo, E., & International Telemedicine Study Group (2020). Global survey on telemedicine utilization for movement disorders during the COVID-19 pandemic. Movement disorders : official journal of the Movement Disorder Society, 35(10), 1701–1711.

57 前掲注6

58 前掲注56

59 前掲注6

60 Mehrotra, A., Bhatia, R. S., & Snoswell, C. L. (2021). Paying for telemedicine after the pandemic. JAMA, 325(5), 431–432.

61 Kalhori, SRN., Bahaadinbeigy, K., Deldar, K., Gholamzadeh, M., Hajesmaeel-Gohari, S., & Ayyoubzadeh, S. M. (2021). Digital health solutions to control the COVID-19 pandemic in countries with high disease prevalence: literature review. Journal of medical Internet research, 23(3), e19473.

62 首相官邸「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(令和2年2月25日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihonhousin.pdf

63 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」(令和2年2月28日厚生労働省医政局医事課、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課事務連絡)

https://www.mhlw.go.jp/content/000602426.pdf

64 厚生労働省「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」(令和2年3月19日厚生労働省医政局医事課、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課事務連絡)

https://www.mhlw.go.jp/content/000611278.pdf

65 厚生労働省「第9回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」

https://www.mhlw.go.jp/content/000637140.pdf

66 内閣府「第1回 新型コロナウイルス感染症対策に関する 特命タスクフォース 議事概要」

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/tf/20200402/gijiroku0402.pdf

67 内閣府「第2回 新型コロナウイルス感染症対策に関する 特命タスクフォース 議事概要」

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/tf/20200403/gijiroku0403.pdf

68 内閣府「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際してのオンライン技術の活用について」(令和2年4月7日規制改革推進会議決定)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/20200407/200407honkaigi01.pdf

69 内閣府「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)11頁

https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2020/20200407_taisaku.pdf

70 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信危機を用いた診療等の時限的・特例的な取り扱いについて」(令和2年4月10日厚生労働省医政局医事課、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課事務連絡)

https://www.mhlw.go.jp/content/R20410tuuchi.pdf

71 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱いについて(その10)」(令和2年4月10日厚生労働省保険局医療事務連絡)

https://www.mhlw.go.jp/content/000621316.pdf

72 総務省「遠隔医療モデル参考書 ―オンライン診療版―」(令和2年5月)

https://www.soumu.go.jp/main_content/000688635.pdf

73 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針 2020 〜危機の克服、そして新しい未来へ〜」(令和2年7月17日閣議決定)31頁

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/2020_basicpolicies_ja.pdf

74 首相官邸「成長戦略フォローアップ」(令和2年7月17日)88頁

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/fu2020.pdf

75 厚生労働省「田村大臣会見概要」(令和2年10月9日)

https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00284.html

76 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2021日本の未来を拓く4つの原動力〜グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策〜」(令和3年6月18日閣議決定)31頁

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/2021_basicpolicies_ja.pdf

77 内閣府「規制改革実施計画」(令和3年6月18日閣議決定)24頁

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/keikaku/210618/keikaku.pdf

78 NHK「初診からオンライン診療 恒久化へ秋にも指針改定 厚労省」(2021年6月30日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210630/k10013112061000.html

79 厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第476回)資料(総-2-2) 新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた特例的な対応を実施している診療報酬の算定状況等について」

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000751096.pdf

80 厚生労働省「電話診療・オンライン診療に関するアンケート結果」4頁

https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000657038.pdf

81 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その13)」(令和2年4月22日厚生労働省保険局医療課事務連絡)

https://www.mhlw.go.jp/content/000624778.pdf

82 前掲注80 28頁

83 前掲注6

84 前掲注71

85 厚生労働省「2020年12月18日 中央社会保険医療協議会 総会 第470回議事録」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205879_00113.html

86 厚生労働省「2017年11月1日 中央社会保険医療協議会 総会 第367回議事録」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205879_00004.html

87 厚生労働省「2017年12月1日 中央社会保険医療協議会 総会 第375回資料」54頁

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000188847.pdf

88 前掲注2

89 前田由美子「日医総研リサーチエッセイ No.80 オンライン診療についての現状整理」https://www.jmari.med.or.jp/download/RE080.pdf

90 厚生労働省「2019年11月8日 中央社会保険医療協議会 総会 第431回議事録」

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205879_00080.html

91 臨床研究実施計画・研究概要公開システム「対面診療に比したオンライン診療の非劣性試験:COVID-19によって症状増悪が懸念される抑うつ障害群、不安症群、強迫症および関連症群を対象とした検証」

https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT1030210037

 
© 2021 総務省情報通信政策研究所
feedback
Top