日本エネルギー学会誌
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再生可能エネルギーの出力特性から導かれる日本への大規模導入時の風力増強の重要性
村岡 克紀 山形 幸彦阿部 力也
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2022 年 101 巻 1 号 p. 16-23

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抄録

再生可能エネルギー(以降では“RE”と略する)の今後の両エースである風力と太陽光発電(以降では後者を“PV”と略し,あとで述べる風力とPVを“VRE”と呼ぶ)により日本の2050年の全エネルギーを供給しようとする際に,VREからの電気出力が天気や昼夜の違いによって変動的であることに起因することから,風力の寄与を大きくする重要性を述べた。すなわち,これらVREからの出力と電力需要の不一致を補うための電力が不可欠であるが,それをなるべく小さくするには,PVに対する風力の割合を3 倍程度大きくするのが有効であることを示した。本文においては,まずそのVREの特性に至る根拠のデータを示したのち,風力の割合を大きくするために今後に必要な事項として,①風力による出力密度(単位面積当たりの出力,単位[W/m2])の向上および②そのための洋上風力開発推進の必要性を述べた。

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© 2022 一般社団法人 日本エネルギー学会
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