日本エネルギー学会誌
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論文
バイオマス混焼石炭焚きボイラにおける脱硝触媒の劣化特性
足立 健太郎内田 浩司幸村 明憲鎌田 博之中島 昭春山 哲也
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キーワード: 脱硝触媒, バイオマス, 石炭
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2015 年 94 巻 12 号 p. 1371-1377

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抄録

石炭焚きボイラでのバイオマス混焼排ガスに対する,V2O5-WO3/TiO2系脱硝触媒の劣化機構を明らかにするために,バイオマス燃焼灰およびKCl,CaCl2を用いて強制劣化試験を行った。バイオマス燃焼灰の水スラリーによる触媒の湿式含浸試験の結果,スラリー中の灰の濃度の増加に伴い脱硝性能の低下が大きくなった。液体の水が共存する環境下では,バイオマス燃焼灰からアルカリ金属成分が触媒へ移動することで,活性点を被毒し化学的劣化を生じる。KCl エアロゾル曝露試験の場合,K 成分は触媒表面から内部に拡散しながら,化学的劣化を経時的に生じる。SO2共存下でのCaCl2エアロゾル曝露試験では,CaSO4が触媒表面近傍で生成し,触媒表面の細孔を閉塞することで,反応ガスの拡散を阻害する物理的劣化を促す。以上の解析により得たアルカリ金属とアルカリ土類金属によるそれぞれ異なる劣化機構の知見は,脱硝性能の劣化を加速させるバイオマス混焼排ガスに対して,耐性のある脱硝触媒の開発に寄与すると思われる。

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© 2015 一般社団法人 日本エネルギー学会
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