2017 年 96 巻 1 号 p. 8-15
汚泥と石炭の混合炭化や混合ガス化プロセスにおいて,汚泥や石炭の熱分解や熱分解チャーのガス化反応が複雑に作用していることから,これらプロセスを理解するためにはまず原料およびチャーの性状やその反応性を明らかにする必要がある。そこで本研究では汚泥,石炭をそれぞれ熱分解したチャー,それぞれの熱分解チャーを配合したチャー,また熱分解前に汚泥と石炭を混合して異なる雰囲気で作成した混合チャーおよび混合熱分解チャーの性状およびその反応性評価を行った。その結果,混合方法や熱分解雰囲気によりチャーの性状には違いが見られ,チャーの水蒸気ガス化反応開始温度や反応挙動も異なることが明らかになった。汚泥と石炭の混合により得られたチャーの細孔構造には大きな違いが見られ,また異なる雰囲気で作成した混合チャーの細孔構造も異なっており混合熱分解により比表面積の低下が見られた。水蒸気によるチャーのガス化反応性はチャー作成条件により異なっており,特にチャーの細孔構造がガス化反応性に大きな影響を与えている可能性が示唆された。