日本エネルギー学会誌
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論文
Study of Nickel Adsorption Properties of Chemically Treated Woody Biomass
Tetsuya HATORIKayoko MORISHITANaokatsu KANNARITakayuki TAKARADA
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2017 年 96 巻 5 号 p. 139-143

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抄録

生物由来の廃棄物を減少させるために,木質バイオマスを原料とする吸着剤の作製等,新しい有効利用法の開発が望まれている。本論文では,木質バイオマスへの化学処理について議論し,金属吸着能の高い新たな吸着剤について報告する。この吸着剤は,3つの処理により作製できた。第1工程は,炭酸カリウム水溶液処理により,カリウムを木質バイオマスに担持させることである。第2工程は,金属捕集官能基を増やすための250℃熱処理である。第3工程は,カリウムを除去するための硝酸処理である。その結果,ニッケル担持率約8.3 wt%という金属吸着能を持つ吸着剤を作製できた。ニッケル担持後の吸着剤を600℃で熱処理することにより,チャー中に約3.5 nmのニッケル微粒子が高分散した。このニッケルが担持されたチャーは,バイオマスタール改質において高い活性を示す可能性がある。

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© 2017 The Japan Institute of Energy
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