日本エネルギー学会誌
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論文
Eluted Soluble Silica Content in Rice Husk Charcoal Produced by Rice Husk Burner
Eriko ANKYUYuji KUBOTARyozo NOGUCHI
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2017 年 96 巻 7 号 p. 217-227

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抄録

本研究の目的は,籾殻燻炭(RHC)に含まれる可溶性シリカ量について,もみ殻燃焼炉による燃焼方法と従来法の燃焼方法の比較を行うことである。RHCは燃焼温度と時間を制御して電気炉で作製した。RHCの可溶性シリカの溶出量はモリブデン青吸光光度法によって測定した。また,未燃炭素量とシリカの結晶化を,RHC作製過程での重量変化および比表面積と細孔容積によってそれぞれ測定した。その結果,もみ殻燃焼炉を想定して900℃で3分間燃焼したRHCの可溶性シリカの溶出量は,従来法である400℃で60分間燃焼したRHCの可溶性シリカの溶出量の60%を示した。可溶性シリカの溶出メカニズムにおいて,もみ殻燃焼炉を想定した短時間燃焼では,可溶性シリカの溶出量は籾殻中のシリカを覆っている植物繊維の除去具合によって決定されるため,可溶性シリカの溶出量を増やすことができる高温燃焼が適することが明らかとなった。一方,従来法を想定した長時間燃焼では,可溶性シリカの溶出量はシリカの結晶化によって決定されるため,可溶性シリカの溶出量を増やすことができる低温燃焼が適する可能性を示した。

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© 2017 The Japan Institute of Energy
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