2020 年 99 巻 3 号 p. 265-269
店内製麺のうどん店を全国展開する同社が,エネルギーの「見える化」や熟練職人の経験による作業の標準化と自動化に取り組み,省エネが進みにくい飲食業界において,エネルギーの大幅な削減を達成した先進的な取り組みである。具体的には①店舗機器の用途別時間帯別エネルギー消費量計測,②最高ランクの職人である麺匠が求める最適な塩分濃度,最適沸騰状態等から必要要素を見極め数値化。さらに茹で釜の立ち上げ時・閑散時の投入電力パターン,さし湯量を,麺匠の視点から数値化し制御ロジックを確立,③需要予測による運転モード策定, ④自動制御化装置による3モード(On,Off,Full Power)運転ができる茹で釜の開発。これら一連の取り組みの結果,電力使用量36%削減,3店舗合計の年間節電量は13 万kWhとした。