抄録
プリント配線板において, スルーホールの小径化傾向が進展し, めっきの信頼性の向上が要求されている。新しく開発した振動脱泡装置を無電解銅めっきの前処理工程の中の脱脂/コンディショナ工程とキャタリスト工程に適用して, 無電解銅めっきの析出性への影響について追求した。その結果, 脱脂/コンディショナ工程に振動を与えることにより, 揺動と比較して無電解銅めっきのスルーホール抵抗値分布がより低い領域にシフトし, 析出性が向上した。このときの最適振動加速度は1Gであった。また, キャタリスト工程に振動を与えた場合も, 脱脂/コンディショナ工程の場合と同様にスルーホール抵抗値分布が低い領域にシフトし, 析出性が向上した。このときの最適振動加速度は10Gであった。振動脱泡を脱脂/コンディショナ工程, キャタリスト工程, 無電解銅めっき工程の3工程に適用することにより, さらに, 無電解銅めっきの析出性が向上し, スルーホールめっきの信頼性を高めることが可能となった。