近代の空間成果として注目すべき形態の多重解釈性(曖昧性)という観点から検証すべく、ガレット·エクボ(1910-2000)の初期4事例の図面を調査し分析考察を行った。その結果、樹木列植による囲みを単位空間として、列植の隙間·延長の交差·ずれという空間構造や高木列植の視線透過性による曖昧性が明らかになった。また、その空間構造によって視点移動にともなう空間変化が顕在化することが明らかになった。これらの結果は、近代の空間成果としての曖昧性が、エクボの初期作品に共有されたことを示し、成果がいかに空間化されたかを示す。