ランドスケープ研究
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建物ヘアプローチするための空間における車イス生活者の注視傾向
知花 弘吉
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1996 年 60 巻 5 号 p. 629-632

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抄録
本論は, 下半身麻痺の車イス生活者を対象として, 建物ヘアプローチするために設置されているスロープや平坦部といった地盤条件の違いが注視の傾向に影響するか否かについて検討した。平均注視時間については, スロープの上りは下りや平坦部に比べて短くなる。平均注視回数は概ね個人差, 地盤条件の差による違いは認められない。スロープでの平均注視時間や回数は移動速度と関係がある。注視対象はスロープの上りでは路面である。また, 上り, 平坦部では路面が主であるが, ほかの注視対象も見られる。注視対象までの距離は平坦部はスロープよりも長くなる傾向にあることなどが明らかになった。
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© 社団法人 日本造園学会
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