抄録
本研究では, 江戸-東京のオープンスペ-スの都市化過程を, 従来の2次元的な分析のみならず, GISのオーバーレイ解析によって時間の経過における変遷の定量的分析を行い, 現在の状態をつくり出した過程の時系列的構造を分析した。時代の進展においてオープンスペースがオープンスペースとして引き継がれる, 継続と呼ぶ状態について, 継続部分の主題図化, 継続と規模特性の関係分析, 継続と属性との関係のクラスター分析を行い, 以下のことが明らかになった。1) 江戸以降のオープンスペースの面積の大部分が前時代からの継続によるものである。2) 規模が大きいほど継続率が高い3) 継続はその以前の属性によって大きく3つに分類できる。