ランドスケープ研究
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日本に自生するつる性Ficus 3種の挿し木発根特性と側芽の生育
下村 孝与儀 清栄
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1997 年 61 巻 5 号 p. 493-496

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抄録

オオイタビ (Fp) 類3種の2節挿しで発根特性と側芽の成長を比較した。幼形枝ではイタビカヅラ (Fo) が他の2種よりも高い発根率を示したが, オーキシン (NAA) 処理区では差はなかった。成形枝ではFpの発根率が劣り, Foが優れていた。Fpおよびヒメイタビ (Ft) ではNAA処理, 無処理区ともに幼形枝の発根率が有意に高かった。枝からの挿し穂採取位置はFoとFtの無処理区で, 下部挿し穂の発根率が有意に劣った。挿し木後側芽が発達した分枝の長さと葉数はFpがFtよりも大きな値を示すものの有意な差ではなかった。以上から, FpとFtが挿し木発根および発根当初の分枝の成長に類似した特性を持つこと, さらに, Foの幼形が他の2種より容易に発根することが明らかとなった。

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