抄録
阪神・淡路大震災後の公園の避難地利用の実態を解明するために, 仮設住宅居住者に対するヒアリング調査を実施した。公園への避難には, 一時避難と避難生活があり, 避難生活はさらに一時避難から避難生活に移行するものと他の避難地を経て公園で避難生活を送る二つの型がみられた。避難地選択の第一要因は自宅との近接性であり, 第二の要因は一時避難者では非建蔽性で, 避難生活者では私的生活の確保である。また, 避難生活者は一時避難者より普段の公園の利用率が高く, 一時避難者においても日常的利用者では公園の認知度が高い傾向がみられ, 震災以前の公園利用の密度と質が避難地の選択に影響を及ぼしていることが推察された。