ランドスケープ研究
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森林表土播きだしによる荒廃地緑化に関する基礎研究
佐藤 治雄堤 光森本 幸裕瀧川 幸伸
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1998 年 62 巻 5 号 p. 521-524

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抄録

大阪府阪南市の約10年生ヒノキ植林地から採取した森林表土を, 潅水及び無潅水処理を施した粘質土壌基盤に, 異なる表土厚, 活性炭混入, わらマルチング, コバノミツバツツジ追加播種の各処理を行い, 全発芽個体の消長, 高さ・葉張りを追跡調査した。1996年7~12月に潅水処理区全体から播種種コバノミツバツツジ (852個体) 以外に58種1372個体, 無潅水区からは37種658個体が発芽し, ヤマグワなど23種は灌水区のみから発芽した。植物被覆量は灌水区表土5cm区で最大, 1cm区で小さかったが, 無潅水区では潅水各区に匹敵した活性炭混入区以外の区では非常に小さかった。森林表土播きだしによる植生回復に対し潅水処理, 活性炭混入の有効性が確認できた。

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© 社団法人 日本造園学会
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