抄録
本研究は作庭技法の古典である『作庭記』から石組に関する考え方や配石の心得を抽出するとともに, 現代に残されている枯山水様式庭園における石組の配石傾向について定量分析を通して明らかにし, さらにその両者をもとに枯山水様式庭園における石組の配石原則について考察することを目的とした。その結果, 2石石組では, 第2景石は視点から眺めて第1景石の左右, 斜め前に配石することや, 両者が頂点を向け寄り添うように配石することなど, また3石石組では, 第2, 第3景石は第1景石に対してほぼ均等な距離に配石すること, 第2景石の高さは第1景石に, 第3景石の高さは第2景石にもとづき石組みされることなどの原則が考察された。