腸内細菌学雑誌
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茶およびカテキン含有飲料の病原性大腸菌に対する増殖抑制効果の検討
西川 武志小林 菜津美岡安 多香子山田 玲子磯貝 恵美子磯貝 浩山下 利春
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2006 年 20 巻 4 号 p. 321-327

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抄録

カテキンの抗菌活性については多くの報告がみられている.一方,最近ペットボトル等のお茶を飲む人が多くなっている.そこで,市販のカテキン含有飲料の病原性大腸菌感染症に対する予防効果を検討することを目的として,腸管出血性大腸菌O157(EDL931およびHK)および非病原性大腸菌MV1184に対するカテキン含有飲料の増殖抑制作用について検討した.また,併せて毒素産生抑制作用についても検討した.紅茶,緑茶1,緑茶2および番茶は大腸菌に対して強い増殖抑制作用を示した.この中でもカテキン含有量の最も多い緑茶2が,すべての大腸菌に対し極めて強い増殖抑制作用を示した.また,供試したE. coli O157はベロ毒素1型(VT1)産生株であり,紅茶,緑茶1,緑茶2,および番茶によって毒素の産生は抑制あるいは阻止された.これらの結果から,茶を飲用することは,O157をはじめとする病原性大腸菌感染症を予防するのに有効であると考えられた.

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© 2006 (公財)日本ビフィズス菌センター
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