腸内細菌学雑誌
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総 説 <特集:腸内細菌の分類の現状―嫌気性菌および乳酸菌を中心に―>
乳酸菌分類の現在とビフィズス菌・乳酸菌分類小委員会が提言した新規乳酸菌種提唱のための最少基準
平山 洋佑遠藤 明仁
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2016 年 30 巻 1 号 p. 17-28

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抄録

乳酸菌はプロバイオティクスのみならず,発酵食品スターター,サイレージのスターター等,産業的に利用される場面が多いため,幅広い研究が行われている.乳酸菌分類は16S rRNA遺伝子の塩基配列に基づく系統解析が利用されて以降,大きな変化を遂げている.新菌種として提案される乳酸菌の数は増え続け,現在は35菌属300菌種以上が乳酸菌として登録されている.これらの菌種の中には従来表現性状により分類されていた時とは異なる菌属に再分類されている菌種も見られる.このような分類の急激な変化は,多くの研究者に少なからぬ混乱を生じている.そこで本総説では,現在の乳酸菌分類状況について概説する.また,2014年に国際細菌分類命名委員会のビフィズス菌・乳酸菌分類小委員会が「Bifidobacterium, Lactobacillus及びその類縁菌の新菌種提唱に推奨される最少基準」を発表したので,これについても本総説で紹介する.

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© 2016 (公財)日本ビフィズス菌センター
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