2021 年 35 巻 1 号 p. 13-18
膵疾患は急性膵炎といったcommon diseaseから自己免疫性膵炎や癌まで様々である.そのなかで,膵臓癌は我が国においてだけでなく,全世界的に未だ予後不良の疾患であり,その対応には急務が求められている.近年,様々な消化器癌において腸内細菌(Gut microbiota)の関与が報告されているが,膵疾患領域においても細菌叢の解析が蓄積されてきている.膵疾患においても良悪性疾患を問わず細菌が疾患に関係することが示唆されてきており,細菌叢から疾患を考察することは,未だ解明されていない癌化プロセス等の解明に繋がると考える.