2026 年 40 巻 1 号 p. 3-10
腟内では,腸内細菌叢と比較し細菌叢構成細菌の多様性は驚くほど低い一方,腟内細菌叢は人種によっても,また個人間でも異なることが知られている.閉経前の健康な女性の腟内には主に乳酸桿菌が常在しており,女性生殖器の健康に深く関与していると考えられてきた.しかしながら近年,乳酸桿菌が最優勢菌であっても,菌種の違いにより女性生殖器疾患の罹患率は大きく異なることが明らかになっている.また,腟内マイクロバイオームに影響を及ぼすさまざまな因子も報告されている.本項では,腟内マイクロバイオームの特徴と健康および疾患との関連に関する最新の知見を紹介したい.