腸内細菌学雑誌
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ヒト糞便のBifldobacteriumおよびLactobacillus新鮮分離株の2次胆汁酸生成能
佐藤 美紀子境谷 有希子高橋 琢也諸富 正己
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1998 年 11 巻 2 号 p. 105-108

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抄録

我々は先にBifldobacteriumおよびLactobacillus等の乳酸産生菌分離保存株について, 二次胆汁酸産生能 (7α-デヒドロキシラーゼ活性) を調べ, これらの菌には二次胆汁酸産生能がないことを確認し報告した.今回はさらに, 健康成人男子5名の糞便からBifldobacteriumおよびLactobacillusを新たに分離し (Bifldobacterium12株, Lactobacillus10株), 継代保存をしない新鮮分離株について二次胆汁酸産生能を調べた.被検菌を150mg/mlのコール酸を添加した2種類の培地で嫌気的に37℃, 7日間培養した後, 培地中の胆汁酸を高速液体クロマトグラフィーで分析し, 菌の7α-デヒドロキシラーゼ活性, およびその他の胆汁酸代謝活性の有無を調べた.陽性対照として用いたEubacterium lentum-like strain c-25株は, 培地に添加したコール酸のほとんどをデオキシコール酸に変換したが, 被検菌によるデオキシコール酸生成はみられなかった.以上の結果から, 保存株, 新鮮分離株にかかわらずBifldobacteriumおよびLactobaoillusは, 7α-デヒドロキシラーゼ活性による2次胆汁酸産生能がないと考えられた.

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© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
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